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ヤング@ハート

Young@Heart
2007/イギリス/ピックス/108分
監督:スティーヴン・ウォーカー
http://youngatheart.jp/

偏差値:58.0 レビューを書く 読者レビュー(2)

「やんちゃな年金生活者たち」と評される“ヤング@ハート”は唯一無二のコーラス隊だ。アメリカ、マサチューセッツ州ノーサンプトン在住、年齢75歳から93歳までの騒々しいシニアの一団は世界中どこでも、そのパフォーマンスで絶賛を浴びてきた。そんな彼らが高らかに歌い上げるのは、アウトキャスト、ジミ・ヘンドリックス、そしてレディオヘッドなどのロックンロールなのである。

コーラス隊“ヤング@ハート”は1982年にマサチューセッツ州ノーサンプトンの高齢者向け公営住宅ウォルター・サルヴォ・ハウスの住人により結成された。結成当初から指揮者であり、コーラス隊を指導しているビル・シルマンは語る。「結成当初のコーラス隊のメンバーの中には、二つの世界大戦を経験した人もおり、結成当初88歳だった、アンナ・メインは、100歳になるまでメンバーとして歌い続けてくれました。そして、1983年、町で一番魅力的な劇団ノー・シアターの協力を得て、“ヤング@ハート”の初公演は4回のショーを完売してしまうほど大成功を収めたのです。」

その大成功のパフォーマンスから13年、それまで毎年ノーサンプトンでの公演を続けていた彼らにノー・シアター劇団の協力の下、ヨーロッパ・ツアーの計画が持ち上がった。「ノー・シアター劇団が毎年恒例でロッテルダムでの演劇祭に参加をしていて、たまたま1996年のテーマが『永遠の若さ』だったこともあり、劇団主催者のロイ・フォードリーが我々のことを話してくれて、ツアーを行うことになったのです。」それから、新しい楽曲を加えたり、衣装を取り入れたりで、<ロード・トゥ・ヘブン>という舞台を完成させた“ヤング@ハート”は、大反響を呼び、1997年から2004年にかけて、ヨーロッパ、オーストラリア、カナダで更に12回の公園を実施させるに至った。

そして、そのヨーロッパ公演中、イギリスで開催された<ロード・トゥ・ノーウェアー>のツアーの際に、舞台を見たスティーブン・ウォーカー(本作監督)との出会いによって映画化が実現したのである。

【海外評】

『ヤング@ハート』はどんな人にも喜んで薦められる逸品。出演者のパワーには驚かされ、元気が出る。見終わったあと、あなたは生まれ変わって映画館を出るだろう。人生を肯定したくなるような、力強い作品だ。
デービッド・アンセン(ニューズウィーク誌)

観客も評論家も喜びそうな思いがけない良作。楽しいのに、胸が痛くなる。心地よくて愉快な作品だ。
カレン・ダービン(エル・マガジン誌)

年を取ること=老いぼれることには常に絶望感が付きまとう。しかしこの映画の中で彼らが作り上げる音楽、そこで生まれる友情、そしてユーモア感覚は、老いることにも勇気を与えてくれる。
スティーブン・ホールデン(ニューヨーク・タイムズ紙)

活力にあふれ、心温まる作品。この映画に心奪われず、キャストたちの幅広い魅力のとりこにならない人も、世の中にはいるかもしれない。そんな人に出会わずにいられたら、とただただ願うばかりだ。
ジェシカ・リーブス(シカゴ・トリビューン紙)

『ヤング@ハート』を見てたたきのめされた。公開中のどの作品よりも、美しさとドラマと喜びに満ちている。
ジェームズ・バーニアー(ボストン・ヘラルド紙)

胸がいっぱいになる感動もののパフォーマンスが、そこにはある。
ボブ・ストラウス(ロサンゼルス・デーリーニューズ紙)

今年公開された映画の中で、最も楽しませてくれる一本。
エリザベス・ワイツマン(ニューヨーク・デーリーニューズ紙)


今秋、シネカノン有楽町1丁目ほかにて全国ロードショー