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ヤング@ハート

Young@Heart
2007/イギリス/ピックス/108分
監督:スティーヴン・ウォーカー
http://youngatheart.jp/

偏差値:58.0 レビューを書く 解説

達観しているというか [75点]

※ネタバレを含むレビューです。
平均年齢80歳の老人(失礼)達が歌を唄うドキュメンタリー映画。もう、これだけでどんな映画か観てみる価値はあると思う。

コンサートに向けて新しい曲を取り入れて皆で練習、だけど最初は全く上手くいかない。練習を始めてからも、どうしても上手くいかないからコンサートで歌う曲目から外したりもする。ただ頑張るってだけではなく、勿論ちゃんと披露できるレベルにならないと人前では唄わない。この辺にすごいプロ意識を感じる。

高齢のメンバーが集まっているので唄ってる最中に倒れたりするひとは居ないのかとハラハラしていたが、練習中、もしくは本番中に倒れたりする人はいないようで。しかし、作中では最後のコンサートの一週間前に体調不良から2名のメンバーを亡くしてしまう。それでも、彼らは歌い続ける。だって私が死んでも皆には唄って欲しいからって言いながら。

インタビューに応える老人達は、長い人生から学んだものか、天性のものかはわからないけど、こちらを楽しませてくれる。
個人的には、出来ないといいながら、その場で唄を完璧に歌い上げるバァ様がすごく面白かった。

ドキュメンタリー映画としては、導入部があまり上手ではなく、入り込みづらいかもしれないけれど、後半は絶対に見る価値あり。

年を取った時の自分も、彼らのように人生を楽しみたい。

2009/07/07 15:22

バターサンド

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歌う喜び、老いる怖さ [85点]

※ネタバレを含むレビューです。
平均年齢80才の爺さんと婆さんのグループがロックを歌うドキュメンタリー映画と聞き、楽しくて元気をもらえる作品だろうとな思いながら映画館の椅子に座った。

刑務所の慰問やコンサートで観客の前で活き活きとロックを歌う老人達の姿からは確かに元気をもらえた。

しかし映画はそこに至るまでの練習場面から始まり、老いや病に苦しむ彼らの姿やコンサートを待たずに死んでいく仲間の姿をも真正面からとらえており、予想外に痛い作品でもあった。

最初から上手く歌える訳ではなく何日も練習を重ねるが老いからくる物忘れからか同じところを何度も間違え指揮者から容赦のない叱責が飛ぶ。

それでも老人達は好きな歌を歌っている間だけは自分の老いや病が忘れられるかのように練習を続ける。

ようやく上手くなってきたかと思うと病で休まざるをえない者が出てくる。

仲間たちはメンバーの回復を願いながら練習を続け、今回は持ち直して再び練習に参加する者もいれば、そのまま死んでいく者もいる。

老人達は一様に死ぬことは恐くないと言うが、本当にそうなのであろうか。

いつかは自分も彼らのように年老いていくのは仕方がないと思いつつも、その日が来るのが怖い私にはまだ彼らの言葉が理解出来ない。

それでも老人達の歌う姿には感動させられる。
これが最後のコンサートと決めて酸素吸入をしながら歌う爺さんの声が素晴らしくいい。
子供のようないたずらっぽい顔つきでワァーオと叫ぶ婆さん。
体力が続かないと言われながらもノリノリで最後まで歌いきった爺さん。

出来ることなら彼らのようにいい歳をとりたいものである。

2008/12/01 22:50 (2009/11/07 06:23修正)

kira

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