2008/日本/東宝/101分
出演:山口智子 長嶋一茂 天海祐希 所ジョージ 土井洋輝 奈良柚莉愛
監督:宮崎駿
偏差値:55.8 レビューを書く
恐い映画だ・・・ [20点] [参考:1]
このレビューはネタバレを含みます
恐い映画です!!理性を取っ払い、本能だけで観ようとしたけど・・・見事に沈没。
設定としては『デイアフタートゥモロー』『ディープインパクト』と差して変わらないと思う。災害の原因が隕石か魔法かの違いだけ。
しかしである、災害後の人々のリアクションが決定的に違う。かつて『もののけ姫』のキャッチ「生きろ。」という世界にはそこにはなく、皆が他人事。災害訓練ですか?とつい聞きたくなってしまう。さらに運良く助かった老人たちにも子や孫はいるだろう。しかしその人たちの安否はお構いナシで、他人の子供と元人面魚に一喜一憂してしまうのである。
確かにアニメはなんでもありだ。惑星をぶっ壊すなんてのは当たり前にあるし、波の上を走っても、最近ワンパターンの魔法も大いに結構。しかしながら、愛とか正義とか礼儀とかの感情的なところは現実の世界に沿ったり、理想だったりする場合がほとんどではなかろうか。
この映画はその辺のところまでブッ飛んでいるのだ。親を呼び捨てにしても誰もツッコミを入れない。5歳にして縁組を交わされ、「戦国時代か!」と誰もツッこまず、拍手喝采。今の日本の常識感というのかな?。それをすべて根底から否定しているこの映画に、自分の考えや知識を否定されているようでただただ恐怖を覚えた。
ジブリ内でこの内容にツッコミを入れたスタッフはいるのだろうか?(せめて父ちゃん母ちゃんにしましょうよ、とか)もしいなければ、それこそ現実の恐怖である。
2010/02/21 12:34