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The Chronicles Of Narnia: The Lion, The Witch And The Wardrobe
2005/アメリカ/140分
出演:ジョージ・ヘンリー スキャンダー・ケインズ ウィリアム・モーズリー アナ・ポップルウェル ティルダ・スウィントン ジェームズ・マカボイ ジム・ブロードベント ジュディ・マキントッシュ リーアム・ニーソン 
監督:アンドリュー・アダムソン

偏差値:50.2 レビューを書く 解説

ライオンと魔女 [85点]

このレビューはネタバレを含みます

英国のC.S. ルイスが描いた「ナルニア国物語」シリーズ全7巻のうち、第1巻の堂々たる映画化だ。
私は原作を読んでいないが、とてもこの映画が気に入った。
「ナルニア国物語」の冬から春を思わせる爽やかさがすごくよい。
なんというか、映画の全体のトーンが見ていてとても心地良かったのだ。
また、驚いたのは4人の無名の子役たちが、すごくチャーミングだったところ。
単なる映像で魅せる、ファンタジー映画だと思いきや、4人それぞれのキャラクターが、物語の流れをつくって、活き活きとしていて、面白かった。
この4人はただの、仲良し兄弟姉妹ではないのだ。
英国人らしい皮肉な台詞がちょこちょことある。

長男は、ちょっと気弱だけど心優しい。長女はしっかりものの現実派。次男は反抗期でひねくれていて、次女はとっても正義感のあるおしゃまさん。
この4人が第二次世界大戦のため疎開先の館で、かくれんぼをしていた時、タンスの扉から未知なる「ナルニア国」の世界の入り口に足を踏み入れ、奇想天外な生き物たちの中で、自分たちがナルニアの救世主と予言されて、自らの使命を自覚していく。
まさにファンタジーの王道ともいうべき作品。

特に次女のルーシー役の女の子は、本当に上手い。
「ET」のドリュー・バリモアをほうふつさせる!
この女の子がこの第1作の中心人物だろう。

この映画の良さは、子供のピュアな眼を通して、見ている私たちに不思議なナルニア世界のイマジネーションを見せてくれる。
“子供向き”といってイマイチだという人もいるだろうけど、本来、ファンタジーというのは、サンタクロースを信じている子供のためのもの。現実をまだ知らない子供が“不可思議な世界”を想像するためにあるものだろう、と伝えてくれる作品だ。

2008/05/31 20:22

ちりつも

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