2010/アメリカ/20世紀フォックス映画/108分
出演:ナタリー・ポートマン ヴァンサン・カッセル ミラ・クニス バーバラ・ハーシー ウィノナ・ライダー
監督:ダーレン・アロノフスキー
http://www.blackswan-movie.jp
ナタリー、痛すぎるけど美しい [95点] [参考:1]
このレビューはネタバレを含みます
凄かった!
予想はしていたが、まさかここまでナタリー・ポートマンが全身全霊を賭けてたとは?
鬼気迫せまるものがあった。
ファーストシーンからずっとなんだかな~、怖くて不気味で痛くて見ていてつらくなるシーンが多々ある。
本来ならこういう題材は危ない世界に行っちゃって戻れなさそうなのに。
そこはしっかりとした娯楽作品に仕上がってるところがうれしかった。
とにかく主人公から目がはなせない。
俳優と演出と脚本と編集とカメラワークの勝利か!
かのヒッチコック監督にこの映画の評価を聞きたいと思ってしまったほど作品は見事だった。
そして、これはもうナタリー生涯最高の作品だと思う。
これ以上はもう演じれまい、
なぜならバレエという身体表現を使った体当たりの演技だから。
ナタリー痛い、痛いよ。
本当に痛すぎる役だけど、彼女があまりにも美しくはなかさそうなので「??」と普通なら顔をそむけたくなるシーンも不思議と「ああ、なんだか気持ちわかるなぁ~」と思ってしまった。
クラシックバレエダンサーの日常は一般人とちがって非情にストイックだ。
特にトッププロのバレリーナがいかに過酷に機械のように日常生活をキチンキチンと生きてることか。
「食べない、飲まない、遊ばない」とひたすらレッスンと舞台に明け暮れる日々。
ダンサーだけは、ごまかしがきかない。
日常だらけた生活してるとすぐ身体に出てしまう、元に戻すのに何日もかかる。
本当に非情な世界だ。
この作品はすごくデフォルメされてるけど多かれ少なかれ上を目指すダンサーたちは皆、
ニナと同じようなストレスにさらされてるのではないだろうか
ラスト、ニナはあの後どうなったのだろうか?
私、個人としては「パーフェクト」にやり遂げて満足できたのだから、このまま眠りから醒めない方がニナは幸せなのでは?と思ってしまった。
2011/05/13 23:52 (2011/11/26 22:51修正)