Equilibrium
2002/アメリカ/アミューズピクチャーズ/106分
出演:クリスチャン・ベール エミリー・ワトソン テイ・ディッグス アンガス・マクファーデン ショーン・バートウィー マシュー・ハーバー ショーン・ビーン
監督:カート・ウィマー
製作:ヤン・デ・ボン、ルーカス・フォスター
偏差値:57.4 レビューを書く
ついに見ましたリベリオン [78点] [参考:2]
このレビューはネタバレを含みます
映画で描かれる近未来は得てして‘徹底的な管理社会’が多く、もはや定番になっている気がします。リベリオンも期待通りその定番から外れることなく‘徹底的な管理社会’を描いています。
最近では(といっても10年前)、「ガタカ」でDNAによって全て管理されている社会が描かれていましたが、リベリオンでは人間の感情を抑えることで社会を管理しています。「感情こそが人々の争いを生む元凶だ、それならいっそのこと薬で感情を抑制してしまえ、そうすれば戦争は起こらず平和な社会が作られる」ってな感じです。この社会では感情を呼び起こすものは一切禁止されていて、絵画や音楽、ゲームや装飾品を所持していただけでも即刻没収、感情を持っている人は違反者として焼却されてしまいます(処刑の仕方が残酷)。
主人公のプレストンは違反者を取り締まる特別捜査官(通称クラリック)で、日々違反者を取り締まっています(というか虐殺しています)。当然プレストンは感情を持ち合わせていないのですが、ある女性(違反者)との出会いをきっかけに、徐々に感情が芽生えてゆきます。この過程がすごく良くて、特にプレストンが部屋の窓に張られていた膜を剥がし、美しい夕景を見て感情が高ぶるシーンには感動しました。景色を見ることすらも禁止されていたんです。
あと、クラリックだけが習得しているガン‐カタ(銃の型)という戦闘術を用いてプレストンが戦うアクションシーンがすごく良いです。彼は映画の冒頭から最後まで無数の銃弾をかいくぐりながら戦いますが、結局最後の最後まで一発の銃弾も受けることはありません。無敵すぎです。でもそこがいいんです。最高にかっこよくて痺れました。
近未来モノはその設定の奇抜さだけで大抵楽しめてしまうんですが、リベリオンはプラスアルファがいっぱいです。感情がテーマだけに主人公の心情が丁寧に描かれているし、アクションシーンも素晴らしいし、ラスボスとの裏のかきあいもB級アクションの王道って感じがしていいです。久々に心底楽しめるSF映画でした。
2008/05/16 15:38