リベリオン
Equilibrium
2002/アメリカ/アミューズピクチャーズ/106分
出演:クリスチャン・ベール エミリー・ワトソン テイ・ディッグス アンガス・マクファーデン ショーン・バートウィー マシュー・ハーバー ショーン・ビーン
監督:カート・ウィマー
製作:ヤン・デ・ボン、ルーカス・フォスター
偏差値:57.4 レビューを書く
感情があるから人間でいられる。 [77点]
※ネタバレを含むレビューです。
物語は第3次世界大戦後、世界は独裁政治が支配する国家というのがこの映画の背景。
どういう国家かというと人類が二度と戦争を起さないために人間の感情を抑制してしまおうとする国家なのだ。(んなムチャな~!)国民にプロジウム(精神制御剤)という薬物を飲むことを強制し、飲まないものは“感情の違反者”として捕まえられ火あぶりの刑にされるのだ!(ひぇ~!!)
おまけに人間の感情を促すものすべてのモノを消滅しようとさえする。
例えば絵画(本物の「モナ=リザ」の名画とか)映画、詩集、本、ゲーム、音楽関連のモノなどは全て焼き尽くすし、可愛い動物も一切抹殺。(多分この社会は食べる以外に動物はいない。)ここではワンちゃんを銃で殺してしまうのだ~。
それらを隠しもっている人間は即座に見つけたらその場で銃殺、なぜだか女性はとらわれて、火あぶりの刑になるのだ(どしてだろ~魔女狩りかよ!)
こういう設定を自ら脚本・監督したこのカート・ウィマーという人は凄い!!
「やれB級作品だ!」「マトリックスの二番煎じ」と言われて一部のカルト好きしか受けてない作品のようだが、私はすごお~くこの無機質な世界感が気に入っちゃった!
そして、その荒唐無稽な国家に対抗するのが、クリスチャン・ベール扮するジョン・ブレストン。本来、彼は、国家の公職であるクラリック(聖職者)という立場で、反逆者を取り締る側だったのだが、ふとしたことでプロジウムを飲まなくなり彼の直感で相手の心が読める本来の感情が目覚めていき、いつしか悪魔のような独裁体制国家に立ち向かうというお話なのである。
ジョン・ブレストンの「ガン・カタ」というアクションがこの映画の最大の見ものだけど、いやあ、とにかく強い!ここまで強いともう何でもOKでしょ!って感じだ!
私が男だったら一度はやってみたい「ガン・カタ」
(この、超カッコイイアクションにご興味もたれた方は是非ご覧くださいませ。)
私はブレストンにブルース・リーと同じカリスマ性を感じました。
それにしてもクリスチャン・ベール恐るべし!
無表情の顔の中で眼とかすかに動かす鼻や口元だけでブレストンの心の変化を私たちに気がつかせるクリスチャン!
個性的な役者さんです。
2008/06/08 10:26
ちりつも
ついに見ましたリベリオン [78点] [参考:2]
※ネタバレを含むレビューです。
映画で描かれる近未来は得てして‘徹底的な管理社会’が多く、もはや定番になっている気がします。リベリオンも期待通りその定番から外れることなく‘徹底的な管理社会’を描いています。
最近では(といっても10年前)、「ガタカ」でDNAによって全て管理されている社会が描かれていましたが、リベリオンでは人間の感情を抑えることで社会を管理しています。「感情こそが人々の争いを生む元凶だ、それならいっそのこと薬で感情を抑制してしまえ、そうすれば戦争は起こらず平和な社会が作られる」ってな感じです。この社会では感情を呼び起こすものは一切禁止されていて、絵画や音楽、ゲームや装飾品を所持していただけでも即刻没収、感情を持っている人は違反者として焼却されてしまいます(処刑の仕方が残酷)。
主人公のプレストンは違反者を取り締まる特別捜査官(通称クラリック)で、日々違反者を取り締まっています(というか虐殺しています)。当然プレストンは感情を持ち合わせていないのですが、ある女性(違反者)との出会いをきっかけに、徐々に感情が芽生えてゆきます。この過程がすごく良くて、特にプレストンが部屋の窓に張られていた膜を剥がし、美しい夕景を見て感情が高ぶるシーンには感動しました。景色を見ることすらも禁止されていたんです。
あと、クラリックだけが習得しているガン‐カタ(銃の型)という戦闘術を用いてプレストンが戦うアクションシーンがすごく良いです。彼は映画の冒頭から最後まで無数の銃弾をかいくぐりながら戦いますが、結局最後の最後まで一発の銃弾も受けることはありません。無敵すぎです。でもそこがいいんです。最高にかっこよくて痺れました。
近未来モノはその設定の奇抜さだけで大抵楽しめてしまうんですが、リベリオンはプラスアルファがいっぱいです。感情がテーマだけに主人公の心情が丁寧に描かれているし、アクションシーンも素晴らしいし、ラスボスとの裏のかきあいもB級アクションの王道って感じがしていいです。久々に心底楽しめるSF映画でした。
2008/05/16 15:38
chanandolar
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