Invictus
2009/アメリカ/ワーナー・ブラザース映画
出演:モーガン・フリーマン マット・デイモン スコット・イーストウッド ラングレー・カークウッド ボニー・ヘナ
監督:クリント・イーストウッド
原作:ジョン・カーリン
脚本:アンソニー・ペッカム
撮影:トム・スターン
http://www.invictus.jp
見ごたえのあるヒューマンドラマ! [90点] [参考:1]
マンデラ大統領の話には、“恐怖(fear)”という言葉が多様され、それはさまざまな変化により“不安”に満ちていた国内情勢を表し、1年後に自国で開催されるワールドカップに着目した大統領は、ラグビーによって、国民の気持ちを動かそうとします。
終盤、ワールドカップで勝ち続けていく姿にもちろん感動しましたが、1番印象的だったのは、大統領がチームキャプテンのピナールを招き、2人でアフタヌーンティーをしながら話しているところでした。
数え切れない問題を抱え、休む暇もないほどの激務をこなし、さらに、プライベートでは妻や娘と疎遠で、心は安らぐことがなく、それでいて、誰に対しても穏やかに接し、豊かな知性があり、長年投獄されていたとは信じられないほど、寛容な心を持つ大統領。
そんな素晴らしい大統領と話したことで心を動かされたピナールは、チームメイトたちの反感を感じつつも信念を貫こうとします。
そして、大統領が投獄されていた収容所の狭い独房や作業場を訪れ、国を変えるために、大統領のためにと、さらに意志を強固にします。
そんな素晴らしい人物に扮したモーガン・フリーマンとマット・デイモンは、他には考えられないほど見事なキャスティングだったと思いました。
アカデミー賞の主演、助演男優賞候補になったのも納得です。
そして、イーストウッド監督は南アフリカを舞台に描きながら、アメリカに対してこうあるべきと、投影しているように感じました。
あえて大統領になるまでではなく、就任してからのマンデラの姿を描き、イーストウッド監督ならではの、後は、観客がどう受け止め、何を感じ、どう考えるべきかを投げかけられているようでした。
実話を基にしていることもあって、必要以上の脚色はされておらず、ストーリー展開としてはやや平凡に感じるくらいの描かれ方でしたが、逆に、マンデラ大統領が成し遂げたことの偉大さを感じさせられました。
2010/02/10 01:36