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かいじゅうたちのいるところ

Where the Wild Things Are
2009/アメリカ/ワーナー・ブラザース映画/101分
出演:マックス・レコーズ キャサリン・キーナー マーク・ラファロ ローレン・アンブローズ クリス・クーパー ジェームズ・ガンドルフィーニ キャサリン・オハラ フォレスト・ウィテカー ポール・ダノ 
監督:スパイク・ジョーンズ
製作:トム・ハンクス、ゲイリー・ゲッツマン、モーリス・センダック、ジョン・カールズ、ビンセント・ランディ
原作:モーリス・センダック
脚本:スパイク・ジョーンズ、デイブ・エガース
撮影:ランス・アコード
音楽:カレン・オー、カーター・バーウェル
http://wwws.warnerbros.co.jp/wherethewildthingsare/

偏差値:54.4 レビューを書く 読者レビュー(5)

絵本の最高傑作、奇跡の実写映画化がついに実現!


その島で待ってる
見たことない世界、流したことない涙―。

絵本のカリスマと映画界の奇才の奇跡的な出会いが、まだ誰も見たことのない世界を生み出した。
20世紀最高の絵本と称されるモーリス・センダックの「かいじゅうたちのいるところ(WHERE THE WILD THINGS ARE)」―世界中で愛され、無数の読者の想像力を掻き立ててきた傑作絵本の実写映画化を、『マルコヴィッチの穴』『アダプテーション』のスパイク・ジョーンズ監督がついに実現。奇想天外な物語を自由自在に操り、観る者を想像力のその先へと連れていくスパイク・ジョーンズならではの手腕は、まさに千にひとつの原作を得て、見事なまでに発揮され、興奮と感動の新世界を描き出す!
物語の主人公は、いたずら好きの少年マックス。かなりやんちゃで、ちょっとわがまま、でも本当はさびしがり屋で傷つきやすい8歳の少年だ。家族とのいさかいから家を飛び出し、海へと漕ぎ出したマックスがたどりついた不思議な島。そこにはマックスをドキドキさせるすべてがあった! 見たことのない世界、そして、愛すべきかいじゅうたち―。
何でもできるその場所で、やがてマックスがかいじゅうたちと一緒に取り組み始めた「大計画」には意外なエンディングが待っている。不思議な島で最後に出会う、流したことのない涙。その感動は、思いもかけないところからやってきて、心の一番深いところをノックする。


スパイク・ジョーンズを本気にさせた、“20世紀最高の絵本”

原作「かいじゅうたちのいるところ」は、世界で一番有名な絵本のひとつといっても過言ではない。全世界での売上部数は、絵本では破格の2000万部超え。アメリカで最も優れた絵本に贈られるコルデコット賞をはじめ数々の賞に輝くとともに、1963年の出版から50年近くたった今もなおベストセラーでありつづける怪物絵本だ。2009年、就任まもないオバマ大統領が3万人の親子を集めて行なったイースター祭のイベントで、子供たちにみずから朗読して聞かせたのも、この永久不滅の傑作だった。
それだけに、世代を超えた原作ファンは数知れない。本作の製作を務めるトム・ハンクスもそのひとり。 ハンクスが映画製作に乗り出した際、真っ先に取り組んだプロジェクトのひとつがこの絵本の映画化であり、結局12年がかりとなったこの一大プロジェクトに決定的なビジョンを与えたのが、これまた熱烈な原作ファンであったスパイク・ジョーンズだったのだ。絵本界のカリスマであり、児童文学のノーベル賞といわれる国際アンデルセン賞も受賞している原作者のモーリス・センダックは、ジョーンズ監督と、彼が作ったこの映画に絶賛を惜しまない。原作の本質を受け継ぎながらも、その世界を豊かに膨らませ、確固たるオリジナリティを打ち立てた本物の一作―。センダックは言う。「絵本も、映画も、私はどちらも大好きだ」
これしかない組み合わせといえる最高のコラボが生み出した、「かいじゅうたちのいるところ」はスパイク・ジョーンズにしか撮れない最先端の映像と、アーティスティックなセンスあふれる独自の世界観で、私たちをまったくの別世界に連れて行ってくれる―かわいくて、シュールで、そして切ない世界に。もちろん音楽の素晴らしさも要チェック。もうその島で、どんな感動が待っていようと、驚くにはあたらない。


切なくいとおしい名演が光る! マックス少年と七匹のかいじゅうたち

彼がいなければ、この映画は成立しなかった―。スパイク・ジョーンズ監督をしてそう言わしめるのが、この作品で映画デビューを果たした主演のマックス・レコ-ズだ。とことん子供らしいやんちゃさと、内に秘めたナイーブな奥深さ。そんな両面を演じることができるたった一人の少年を求めて、1年以上をかけてようやく見つけ出したのが、偶然にも主人公と同じ名前を持つ、当時9歳のマックス君だった。
そして忘れてならないのが、かいじゅうたちの存在だ。すごい目玉と、すごい爪、裂けた口からはすごい歯が覗く迫力満点の容貌ながら、三頭身の体型がどこか可愛いかいじゅうたち。ノリのよさも抜群で、彼らなくしてはいかなる冒険も始まらない!ただし、それぞれが心に抱える悩みはビックリするほど繊細で、万能の王様を名乗りどんな難題も解決できると豪語するマックスに、「孤独も何とかできるかな」と、なんともいえない表情で問いかける。大きくいかつい図体で、寂しがったり、いじけたり。「食べちゃうぞ」が口癖ながら、まったくもって憎めない。そして、大きな目玉からポロリとこぼれる一粒の涙…。個性豊かな七匹が、感動の鍵を握っている。


日本語吹き替え版も最強の布陣!

日本語吹き替え版でマックスの声を演じるのは、大河ドラマ「天地人」やTOYOTAのCMで活躍する“こども店長”こと加藤清史郎くん。監督に「映画の心の体現者」とまで評されるマックス・レコ-ズが演じている役だけに、日本でそのアフレコをやりこなせる人物といえば、天才子役・加藤清史郎しかいない。吹き替え版では日米天才子役の豪華共演が実現する!
かいじゅうたちのリーダー的な存在で、マックスにとって一番身近なかいじゅうとなるキャロル役には高橋克実、姉のような存在としてマックスと心を通わせるかいじゅうKW役には永作博美と、かいじゅうたちも演技派ぞろい。オリジナル版に勝るとも劣らない最強の布陣が整った!

この冬、あなたもかいじゅうの島へ。





こんなワクワクする場所、ほかにない!
さあ、かいじゅうおどりをはじめよう!!

2010年1月15日(金)丸の内ルーブル他 全国ロードショー!(吹替え版同時公開)