2009/日本/アスミック・エース/104分
出演:小池徹平 マイコ 池田鉄洋 田中圭 品川祐 中村靖日 千葉雅子 森本レオ 田辺誠一
監督:佐藤祐市
脚本:いずみ吉紘
音楽:菅野祐悟
主題歌:TOKYO MOOD PUNKS
原作:黒井勇人
http://black-genkai.asmik-ace.co.jp/
『ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない』@ [65点]
いやー、こんな会社本当にあるのかなぁ。あるんだろうなぁ。
残業が当たり前、は旦那さんの会社も同じだし定時で帰れる会社の方が少ないと思いますが、正直こんな状態でよく会社が保てているな、とびっくり。
小池撤平演じるマ男が働く会社は下請けのIT企業。無理な納期を強いられ、きちんとした教育もないまま、過酷な労働条件下で働くことになります。
入社初日に何の説明もなく仕事をふられ、わからないことを聞こうにも先輩社員のスキルもない。リーダーはただ理不尽に怒鳴り散らすだけ。経費はもちろん落ちない。初日からサービス残業が当り前。
それでも高校中退→ニート生活を送っていたマ男にとってはやっと入社できた会社。限界まで頑張るしかなかったのだ。
でも正直映画を観る前、どんなひどい会社なんだろう?と、ひどいことを予想していたからか、意外と頑張れる環境だったようにも思いますね。実際マ男は頑張れてましたし。
リーダーや井出は人格も仕事の出来もどうかと思いましたが、ブラック会社じゃなくても、中小企業じゃなくてもきっとこういう人はいるし、どんなに理不尽でもそういう人とも一緒に仕事をしなくてはいけないのが会社ですもんね。スキルがない人が威張っているのは正直腹立たしいですが、ないスキルを責めても仕方ない。
でも救いなのは藤田さんのような人格者がいたこと。仕事ができ、そして後輩をサポートしてくれる、そんな人が一人でもいてくれたら、一人でも味方がいてくれれば、人はきっと頑張れるのだと思います。
マ男が入社した会社は確かにブラック会社だったけど、でも期限に追われて必死で時間との戦いで仕事をすることも、仕事が終わらなくて残業ばかり強いられることも、会社員である以上、仕方ない部分でもあるんですよね。ほとんど定時であがっていた私ですら、そういう経験ありましたから。
それに同じ労働条件であっても、同じ仕事量であっても、その人の能力や考え方、仕事のやり方などによって全然変わってくるもの。同じ仕事をふられて、淡々とこなせる人と、何時間も残業しないと終わらない人がいるのと同じこと。要は能力の差。やる気の差。最初から無理と思ってたらできないし、どうにかしようとする人はできちゃうもんなんですよね。
正直たいして内容がないストーリーを映画にしているので、無駄な描写が多かったり、デスマ(デスマーチ)のシーンが異様に多かったりしたのが気になりましたが、まぁその変は許容範囲かな。
きっとサラリーマンは自分の環境を照らし合わせて、多少なりとも共感する部分があるのではないかなと思います。そしてこの会社よりはうちはマシだ、と思えるかもしれないし、うちはもっとひどいと思うかもしれないし。正直この会社にシステム発注するのはかなり怖いですけどね。
でも私が思うに、無責任なリーダーよりも、リーダーのご機嫌伺いばかりの井出よりも、何よりもブラックなのは笑顔でいい人面している社長ではないか、と思ってしまったのでした。
2010/01/04 11:40
masako
小池徹平『ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない』このタイトルに偽りなし
2009年9月14日(月)、豊洲にて、『ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない』の完成披露試写会が行われ、佐藤祐市監督、小池徹平、マイコ、田中圭、品川祐、中村靖日、千葉雅子、田辺誠一が登壇した。