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マーターズ

Martyrs
2007/フランス・カナダ/キングレコード/100分
出演:モルジャーナ・アラウィ ミレーヌ・ジャンパノイ 
監督:パスカル・ロジェ
http://www.kingrecords.co.jp/martyrs/

偏差値:52.7 レビューを書く

うわぁ、しんどい… [50点]

※ネタバレを含むレビューです。
どんなホラーでも、やっぱり人間のすることが一番怖い。そう感じずにはいられない作品でした。

開始早々から後悔し始め、もう何度やめようかと…

ただのスプラッタホラーかと思っていたら、痛い目を見る作品ですよ。取り扱い注意です。

2011/02/06 21:17

jake

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人間の愚行を描いて恐怖を呼び起こす! [80点]

※ネタバレを含むレビューです。
深夜に一人でみたらかなり怖い作品。
本作はフランス映画祭のホラー・ナイト3本立てて上映された作品の中のひとつ。
この作品が一番怖かったという感想も聴いたので期待して観に行った。
フランス映画祭の時のインタビューで、パスカル・ロジェ監督はこの作品はフランスではなかなか受け入れてもらえないと語った。
その理由は、残酷描写の故ではなかろう。

映画は、リュシーが何者かに拉致監禁された倉庫街から自力で脱出する場面から始まる。
幼い頃監禁犯から自力で脱出したリュシーが、15年後に犯人の家に銃をもって押し入る。
どんな復讐を行うのか?
期待して観ていたら復讐自体はわりとあっけなかった。
こんなに簡単に復讐が終わっていったいこの後どう展開するのか?
復讐後の現場で、リュシーはなにものかの襲撃をうける。
以前見た「ハイテンション」のような描写だ。
一瞬又か!と思った。
が、その後の展開は予想とは全く違った。
後半部分はネタバレするとつまらないので内容にふれることはできない。
実に衝撃的な映像のオンパレードだ。
チラシにもある、不気味な物体に見える女性の頭に食い込んだネジを引っこ抜く場面は特に本当に痛そうで目を瞑ってしまった。

この映画を見た日の前日に見た“ホッタラケの島” とは真逆の実に不快な映画。
が、チラシにある通り、こんな映画を観たことがないことは否定できない。
一神教を信じる欧米の人々にしか決して作れない作品だ。
ラストは結構奥深いものがあった。
が、彼女は、自分の犯した間違いを恥じたのではなかろう。
自分たちが信じていたものが崩壊したからだ。

この後半部分は、実に愚かな人間が活写されていた。
神も死後の世界も無いと思っている者にはバカバカしい行為である。
一神教の世界では、ドーキンスのように分厚い本を書かないと、「神は妄想である」ことを説得できない。
そういう世界観の中でのお話。
この映画が、欧米で受け入れてもらえない理由は、残酷描写ではない。
狂信者を描いて宗教家のいやなところを突いているからだと私は理解した。

最後に温厚篤実そうな者たちが集まってくる。
とんでもない残酷行為を行っているのに全く無自覚な救いようのない人々である。
ターミネーター(でも何でもいい)が皆殺しにして終われば良かったのにとわたしは思った。
特に後半は意外性とショッキングな描写の連続で、ホラー好きには文句なくおすすめできる作品であったと思う。

2009/12/30 20:57

まっつぁんこ

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今までに味わったことのないホラー作品 [75点]

※ネタバレを含むレビューです。
先ごろのフランス映画祭でも話題になったフランスのホラー映画「マーターズ」。フランス映画祭の「ホラー・ナイト」で上映された後,あまりの残酷さに、表現しようがないほどの極悪がある意味評判になった作品。「ハイテンション」、「屋敷女」とスプラッターホラーの常識を超えた作品と聞いて
観賞しましたが、予想をはるかに超える怖さでした。ビジュアルでの視覚からの怖さというより、精神的な恐怖。拘束され支配される恐怖、皮膚を切り肉を削ぐ恐怖、たくさんの流血や拷問シーンがもう絶え間なく続く作品です。ホラー映画にありがちな、最初のストーリーで後半が見えてしまう、ということもなく、何が出てくるかわからないという不安の恐怖。いい意味でストーリーが予想できず、斬新なカット割、今までに感じたことのない感覚に圧倒されました。リアルな残酷シーンが絶え間なく続くのですが、目をスクリーンに釘付けにするほど深い魅力を持っているのです。それは痛々しい鮮烈な残酷描写だけではなく、ストーリーが次々と展開していくからなのです。ミステリアスなサスペンス・ホラー映画で、前半は少女時代に誘拐されたリュシーによる復讐劇。後半は親友アンナの悲劇が描かれ、黒ずくめのオカルト秘密結社が登場もし、2部構成の映画のようでもある。宗教的な要素も加味された内容になるので、単なるバイオレンス・ホラー映画ではなく最後には「人が死ぬ直前に見るものは何か?」という哲学的なメッセージがあります。これほどまでに残酷であり、ストーリー性のある内容に、今までのホラー映画の概念が覆されました。是非この体験をしたい方は、劇場へ!

2009/08/18 10:20

こっこ

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