Taken
2008/アメリカ/20世紀フォックス映画/93分
出演:リーアム・ニーソン ファムケ・ヤンセン マギー・グレイス
監督:ピエール・モレル
製作:リュック・ベッソン
http://movies.foxjapan.com/96hours/
娘のためなら命懸け [85点]
奇しくもあのジャック・バウアーの娘と同じ名前の愛娘キムを助けるため、彼と同じく手段を選ばず、異国の地パリで突っ走る父親の物語である。
こちらの父親はCTUではなく元CIAの秘密工作員。組織は違ってもそこで習得した知識と力の全てを駆使して異国で誘拐された愛娘を助けだそうとする姿は娘を持つ者としては痛いほどよくわかる。
ジャック・バウアーと大きく違うのは娘の救出と並行して国家の危機を食い止める必要がないこと。
そのため本作の主人公ブライアン(リーアム・ニーソン)は娘の救出のみに集中でき、ありとあらゆる手段を娘の救出のためにだけ使うのだが、リーアム・ニーソンがここまでキレた役をやるのも珍しいのではないか。
観終わった後で考えるといくら何でも捜査権限のない異国であれだけ暴れ周り、立ち向かう敵は情け容赦なく次々と始末して行くのは法律的にどうなの、との疑問も出てくるのだが、上映時間が93分と短く展開がスピーディーなため観ている間はそんなことを考える余裕もなく一気にラストまで突き進んで行く。
バイオレンスものは苦手な方なのだが、娘を思う父親の気持ちがわかるため、およそ自分とはかけはなれている主人公にある種の憧憬を抱きながら自分を同化させて観ることができた作品である。
しかし本作の主人公もそうであるが、別れてしまえば所詮は他人の妻(笑)と違って血を分けた娘のためならどんなことでもしてやろうと思っている父親の気持ちとは裏腹に、年とともに娘にうとましく思われる父親とはなんと悲しい存在なのだろう(涙)
2010/06/10 20:05 (2010/08/04 22:35修正)