2009/イギリス/ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
監督:リチャード・デイル
http://www.we-love-space.jp/
合衆国宇宙開発の記録 [79点]
ロケット野郎たちの飽くなき挑戦を描いたリアル・ライトスタッフ・ドキュメンタリーです。ロケットはいいですよね。ロマンがあるなあ。ロケット爆発など、宇宙開発の負の部分も包み隠さず描いているところが共感が持てますね。ただ、イギリス映画なのにアメリカ合衆国の部分にしか触れていないので、ソ連が何をしていたのかが全く見えて来ないんですよ。まるで人類最初の宇宙飛行士がシェパード氏かと勘違いを招く語り方は問題ありではないかと。でもまあそれでもやっぱりロケットが飛ぶシーンはそれだけで涙が出るほど感動的で、神々しくもありますね。当時の技術で宇宙に行くというのは本当にすごいことだと改めて驚かされます。月面着陸は人類史最高のニュースです。当時月面着陸に沸いた地球人の気持ちになって見ることができました。
何度も見てきた映像もあり、目新しい感じのドキュメンタリーではないですが、それでもチャレンジャーの爆発は僕も小学の頃にニュースで見て現体験として記憶にすごく残っていたので、改めて映像で見ると感慨深いですね。一度は死にそうになって生還した宇宙飛行士はその後も何度も飛んでいて、最後に乗ったのがそのチャレンジャー号だったこと、それと、チャレンジャーには最初の民間人宇宙飛行士も乗っていたことなどはこの映画を見て知ったことでした。民間人の女教師が「候補者は他にも9人いた。私が10人分の魂を乗せて飛びます」と涙ぐむシーンが一番泣けました。当時のレーガン大統領の弔事も時代を感じさせます。
音楽がいいですね。泣ける音楽が使われています。月面から見た地球の映像にもぴったりマッチ。ナレーションが独特で、ちょっと暗いおじさんが言葉数少なめにヒッチコックみたいに、ゆったりと話していて、これが結構気にいってます。
しかしこれと同時期に『ザ・ムーン』というドキュメンタリーが公開されてて、あちらが究極的に素晴らしい映画だったので、あちらと比較するとどうしても落ちてしまいますね。だからあちらにはないスペースシャトルの部分の描写について、こちらで補う形で見るといいかもしれません。
2010/08/15 05:10