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弾突 DANTOTSU

Pistol Whipped
2008/アメリカ/ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント/100分
出演:スティーヴン・セガール ランス・ヘンリクセン レネー・エリス・ゴールズベリー ブランチャード・ライアン ポール・カルデロン 
監督:ロエル・レイネ
http://www.sonypictures.jp/homevideo/dantotsu/

偏差値:54.3 レビューを書く 読者レビュー(1)

スティーヴン・セガール芸能生活20周年記念作

このオヤジ、一番。

 193cmの長身から繰り出される電光石火の早業。相手は何事が起きたのかを知ることもなく地面へと叩き付けられる。その圧倒的なまでの強さ。比類なき強腕。1988年、『刑事ニコ/法の死角』で、文字通りハリウッドに彗星の如く現れたマーシャル・アーツ・マスター、スティーヴン・セガール。それはブルース・リー以来、映画では観ることの出来なかった格闘の神髄。俳優が演じるアクションでは得られない真の迫力。そのセガールのスクリーン初登場から今年で20年目を数える。軍人、特殊工作員、捜査官…、役柄は代われどセガールの無敵ぶりには微塵の変化なし。その記念すべき20年目の年に『弾突 DANTOTSU』でセガールが演じるのは、『刑事ニコ/法の死角』同様、原点回帰とも言える刑事。だが、常に清廉潔白であったセガールが初めて演じる汚れ役という新境地でもある。酒とギャンブルに溺れるあまり、借金は際限なく膨れあがる。娘の学費すら払えず、挙げ句の果てには離婚。身に覚えのない冤罪で職も追われ、教会に通い懺悔を繰り返すものの、どん底から這い上がる気配もない。そんな男に声を掛ける謎の老人。借金精算の代償として請け負う仕事。それは街にはびこる犯罪者の掃除。20年目にして初めて目撃するダークな魅力に輝く新たなセガールの姿!
 共演に、セガール演じるマットに殺しを依頼する老人に、『エイリアン』シリーズ、『クイック&デッド』、『パウダー』で知られる個性派、ランス・ヘンリクセン。マットの恋人ドレアに舞台、TVで活躍するレネ・ゴールズベリー。老人の部下でマットの監視役でもある謎の男ブルーに、『ザ・センチネル/陰謀の星条旗』、『21グラム』、『フォー・ルームス』のポール・カルデロン。マットの元妻リズに『オープン・ウォーター』のブランチャード・ライアン。
 監督はオランダのTV界出身で製作、脚本、撮影、編集とマルチな才能を誇るロエル・レーヌ。製作は『奪還 DAKKAN アルカトラズ』以降、セガールとは5作品でコンビを組むフィリップ・B・ゴールドファイン。製作総指揮に『モンスター』でシャーリーズ・セロンにオスカーをもたらしたアルウィン・カシュナー。脚本はロバート・デ・ニーロ、ジャン・レノ共演のアクション・サスペンス『RONIN』のジェイ・ディー・ザイクが、再び過激なカースタント・シーンをクリエイト。

PRODUCTION NOTES
■冒頭のリッチで退廃的なカジノは、ブリッジポートという町の由緒あるマジェスティック劇場のロビーに作られた。コネチカット州にあるこの小さな町は、最近、映画製作者にとって夢のような町となりつつある。優遇税制措置の存在に加え、撮影隊を歓迎する町の雰囲気と協力的な姿勢がその大きな理由だ。2006年にはロバート・デ・ニーロやハリソン・フォードがこの町に訪れ、映画産業の到来により8000人が職を得た。州政府は今後もその好景気が続くことを期待している。
■今回、激しいアクション及び、カースタントの撮影に何千人もの見物客が集まった。カメラが回る中、ダウンタウンを走り抜けるセガールやスタントマンたちに人々は声援を送った。セガールらが運転する車は、必死によけるエキストラたちを蹴散らしながら町中を走り回った。また、ブリッジポート警察による本物のカーチェイスが始まり、あやうく撮影が中断されそうになったこともあった。「あのときはどっちのカーチェイスを撮ったらいいのか迷ったよ。多分、正しい方を撮ったと思うけどね」とカメラ・オペレーターのひとりは笑う。
 見物客の女性は、「こんなにエキサイティングな撮影は久しぶり。それに大スターの多くは私たちには目もくれないけど、ミスター・セガールはサインをしてくれたり、一緒に写真を撮ってくれたりしたの。みんな凄く喜んでいたわ」と話す。
■ 「今回の撮影はここ、コネチカットでバケーションを楽しんでいるような感じだった」とランス・ヘンリクセンは語る。「ブリッジポートの素晴らしく美しい劇場やハイウェイの先にある見事な水族館など、非常にユニークで興味深いロケーションがある。水族館にはトドやいろいろと変わった魚がいたし、巨大なオーシャン・ディスプレーがあった。その大きな水槽の前で撮影したシーンもあった。カメラが回り始めるたびに、魚が撮影を見るためにガラスのそばに寄ってきた。決して僕の気のせいではないと思う。僕は魚たちが直ぐに泳ぎ去ってしまうかどうかで、彼らがそのシーンを気に入ってくれたかどうか、いつも気にしてたくらいだ。それがショービジネスというものだよ!」。

STORY
 マットは酒とギャンブルに溺れ全てを失い、冤罪で警官としての職も失っていた。今夜もポーカーで2万ドルの借金を背負い込んだ彼の前に、謎の男が現れる。その男は、過去マットが作った123万ドルもの借金を肩代わりしており、その代償として、町に巣食らう法では裁けない犯罪者たちを掃除することを要求する。命じられるままに制裁を実行していくマット。しかし、次の標的はマットの愛娘の現父親だった・・・。

9月13日より、銀座シネパトスほか全国順次公開