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ギララの逆襲 洞爺湖サミット危機一発

2008/日本/トルネード・フィルム/98分
出演:加藤夏希 加藤和樹 渡部又兵衛 松下アキラ 福本ヒデ ビートたけし 
監督:河崎実

偏差値:47.2 レビューを書く

超B級特撮怪獣映画 [65点] [参考:1]

※ネタバレを含むレビューです。
ゴジラが訳のわからない最後の闘いを終え、ガメラはギャオスの大群を前に続編は作られず、特撮怪獣映画ファンには何とも寂しい日々が続いていた。

そんな中、松竹唯一の大怪獣ギララが復活したとの噂は聞いていたが、いつの間にか上映は終わり、見逃して悔しい思いをしていたところ、フラッと立ち寄ったTSUTAYAに新作ギララのDVDが…。

それも下段の隅にたった1枚だけ。人気があるんだかないんだか、取り敢えず借りて早速鑑賞。

…まさかあのギララが喜劇になっているとは…予想もしていなかった展開にしばしボーゼンとなる。

それでも地球防衛軍の参謀役で初代ウルトラマンの黒部進と初代ウルトラマンのスーツアクターでその後ウルトラセブンではアマギ隊員に昇格した古谷敏が出演しているのが懐かしい。

作戦本部に突然子供が現れて「眼がギラギラしてるから怪獣の名前はギララだよ」って、昭和版『ガメラ対ギャオス』のパクりじゃねえかと思いながらも、あちこちに散りばめられた数々の怪獣映画やウルトラマンネタが嬉しくもある。

さすがは『日本以外全部沈没』の河崎実監督だけあって、観客の思考を置き去りにしてバカ丸出しの話をどんどん進めて行く。

いったい監督は誰に対して何を観せたいんだろうかと思いつつも、出演している役者さんたちがみんな大真面目で演技をしているのを観ると何とコメントしてよいものか…

だが言及すればドキュメンタリー映画以外はどんな大作であれ結局は虚構の世界で架空の話を綴っているのが映画なので、このギララはそんな映画の究極の形なのかも知れない、と無理やり納得した。

怪獣や壊される建物などはそれこそ昔の怪獣映画の末期なみにチープだが、それもまた懐かしさを増幅する監督の意図かも知れない、とまたまた無理やり納得した。

しかし出てくるG8の各国首脳+1名が、自国の威信をかけて次々と繰り出してくるギララ撲滅作戦は、各国のエゴと兵器が丸出しで、かなりブラックな作品でもある。

このままブラックな終わり方をすればカルト映画の仲間入りだなと思っていたら、人々の祈りを受けて現れた「タケ魔神」がウルトラマンの八つ裂き光輪に似た武器でギララをあっさり倒してしまうのにはちょっと拍子抜けがしたが、まあ、これもレトロな怪獣映画の定石なんだろう。

そんな中で1人光っているのが「タケ魔神」を呼び出すためインファント島の住民のように村人と一緒に真顔で踊る加藤夏希の可愛さである。

「ネチコマネチコマ」と繰り返す歌と加藤夏希が踊りの途中で何度も首をかしげるポーズがしばらくは頭から離れそうにない超B級特撮怪獣映画である。

2009/06/05 20:07

kira

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微妙な黒い面白さ。 [35点]

お店で見かけて、ついついレンタルをしてしまった一本。
なんていうのか、普通の映画とはちょっと違うというか……モロにB級という感じ。

どこか「日本以外全部沈没」と同じだな~っと思ったら、監督さんも同じだったんですねー(苦笑)
「日本以外全部沈没」の時と同じで、表現は過激だし、オチも同じだし、でも違和感があんまりなかったり。これが監督さんの味なんだろうなーっと思います。

ストーリーはブラックジョークがちょい濃いめの特撮モノという感じでした。特撮で、これはそういうノリなんだって事が分かってないと、誤解を生むというか、それ程面白いと思えるかどうかびみょーな一本だとは思います。

2009/03/30 03:39

ころね

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