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Le Scaphandre Et Le Papillon
The Diving Bell And The Butterfly
2007/フランス・アメリカ
出演:マチュー・アマルリック エマニュエル・セニエ マリ・ジョゼ・クローズ アンヌ・コンシニ パトリック・シェネ 
監督:ジュリアン・シュナーベル

(データベース登録者:kira

偏差値:61.4 レビューを書く

生きること、生かされること [90点]

このレビューはネタバレを含みます

主人公の目から見た周囲のみが映される冒頭の30分、瞬きをするのがおしいくらい画面を凝視してしまいました。

突然の脳梗塞で倒れ、“ロックト・イン・シンドローム(閉じ込め症候群)”となり、左目の動き以外、体が全く動かなくなったELLEの元編集長ジャン=ドミニク・ボビーが自分の意思を伝える方法は左目の瞬きだけ。

言語療法士が繰り返すアルファベットのどこで彼が瞬きをしてどのような意思を伝えようとするのか、まったく画面から目を離すことができませんでした。

意識や思考は鮮明なのにそれを伝える術が左目の瞬きだけというもどかしさ。
時折映される重い潜水服をきて自由に動くことができずに水中に漂う彼の映像もそのもどかしさを効果的にあらわしてました。

何万回も繰り返されたその瞬きだけで自伝をしたためられたのは、彼だけではなく周囲の人々の忍耐的な協力があったからこそできたものですが、これが実話であることの驚きと、今こうして健康に暮らしている自分への感謝を改めて感じさせられた作品でした。

2008/07/13 09:24 (2009/11/07 06:34修正)

kira

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