Batman Begins
2005/アメリカ/WB/141分
出演:クリスチャン・ベール マイケル・ケイン ケイティ・ホームズ リーアム・ニーソン モーガン・フリーマン ゲイリー・オールドマン キリアン・マーフィ トム・ウィルキンソン ルトガー・ハウアー 渡辺謙
監督:クリストファー・ノーラン
偏差値:61.4 レビューを書く
新生バットマン降臨 [85点] [参考:3]
これまでのバットマンシリーズはないものとして作られた新生バットマンである。
ブルース・ウェインが心に傷を受け、それを克服してバットマンになる過程が丁寧に描かれており、これまでのシリーズを観ていなくてもよく分かる作品である。
超人バットマンではなくクリストファー・ノーラン監督による人間バットマンの苦悩がC・ベイルによりリアルに描かれているが、それを良しとするかどうかで評価が分かれ作品である。
いやバットマン自身はもともと大富豪ではあるが普通の人間なのだからリアルな作品であれば苦悩するのは当たり前であり、むしろ敵役の魅力で評価が分かれる作品と言った方がいいのかも知れない。
その点だと第2作「ダークナイト」を観た後ではジョーカーの存在感があまりにも大き過ぎて、本作のスケアクロウはもとよりラーズ・アル・グールやデュガードですら悪党の凄味に欠けているように思えてしまう。
敵役個人の魅力は今ひとつではあるが、それでも悪を善と信じる集団のある種のカルト的な陰謀の怖さを十分に官能できる作品となっている。
また今までにないバットマンの苦悩、孤独、痛みなどを演じたC・ベイルのほか、脇を固めるM・ケインのアルフレッドは正に適役であり、M・フリーマンやG・オールドマンそしてR・ハウアーなど実に心憎い配役である。
ただ1つ不満があるとすれば、バットマンの重要な装備品が全て「たまたま」で揃うことである。
ウェイン産業で、たまたま強化スーツが開発され、たまたま装甲車が開発され、たまたま電気を通すと形状が変わる繊維が開発され、その全てが商品化に至らずお蔵入りとなっていたとは…。
じゃあウェイン産業が何も開発してなければバットマンはどうなっていたのだろうか、などとと考えるとどうも納得がいかないのは私が天邪鬼だからであろうか(笑)
2008/11/07 00:09 (2008/11/09 16:07修正)