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Hugo
2011/アメリカ/パラマウント ピクチャーズ ジャパン
出演:エイサ・バターフィールド クロエ・グレース・モレッツ ジュード・ロウ ベン・キングズレー サシャ・バロン・コーエン クリストファー・リー 
監督:マーティン・スコセッシ
製作:ジョニー・デップ
http://www.hugo-movie.jp/

偏差値:60.3 レビューを書く 解説

タイトルや予告編とは大違いなのでご用心 [80点]

映画はたくさんの人に観てもらってヒットしなければいけないのは理解できますが、この作品の日本版のタイトルと予告編はちょっとやりすぎではないでしょうか。

まずタイトルが『ヒューゴの不思議な発明』なので、いったいヒューゴがどんな不思議な発明をするのかを期待していましたが、父親が遺した機械人形を修理するだけで特に何かを発明したわけではありません。

次に予告編では異世界の出来事のような場面が多く使われていたのでファンタジックな世界を舞台にした作品を想像していましたが、1930年頃のフランスが舞台の孤児には厳しい暗い現実が重く写し出されていました。

まあそんな批判をしてもそれはあなたが勝手にそう思い込んでいたからでしょう、と言われれば確かにそうなのですが、隣りで観ていた小学校低学年の子供を連れた親子が内容がよくわからなかったような会話をしながら劇場を出て行ったのを見た時、おそらく彼らも日本版のタイトルと予告編から私と同じような先入観を持って本作を観に来たんだろうなと思いました。

私は観ている途中で、これはタイトルと予告編から想像していたファンタジックな作品とは違うなと思ったので、後半はファンタジックな映画を頭から排除して観ることにしました。

するとこの作品が映画界から突然姿を消したジョルジュ・メリエス監督と映画創世記に作られた数々の映画に対するマーティン・スコセッシ監督の思いに溢れた作品であることがようやく理解できました。

その視点からだと、本作が今年のゴールデングローブ賞で最優秀監督賞を受賞し、また、アカデミー賞で主要部門は逃しましたが最多の5部門を受賞したこともなるほどと頷けます。

そしてほんの一部ではありますがこれまでテレビでしか観たことのなかった当時の作品を映画館の大画面で観られたことを幸せに感じました。

また、本作では現存している当時のメリエスの実際の作品に本作で作られたその撮影風景などを組み合わせていますが、そのリンクの仕方が実に見事でしたね。

だからこそ、この作品に付けられた本来の作品の内容とは違ったイメージを持ってしまうような日本版のタイトルと予告編はいかがなものかと余計に考えてしまいます。

それと、この作品はマーティン・スコセッシ監督初の3D映画ですが、う~ん果たして3Dにする必要があったのかは疑問ですね。

確かに浮かび上がる映像や駅や建物に奥行きは感じるのですが、それ以上に画面の暗さが気になってしまい、どうも私は3D映画とは相性が悪いようです。
ちなみに今回はRealD方式ではなくXpanD方式で観ましたが画面の暗さに大差はなかったですね。

映画創世記のことを知りたい方はぜひ観ておいた方がいい作品ですが、日本版のタイトルや予告編からファンタジックな作品を連想して小さいお子さんと観ようと思われている方はちょっと用心したほうがいい作品だと思います。

2012/04/09 14:55

kira

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