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Le Concert
2009/フランス/ギャガ/124分
出演:アレクセイ・グシュコフ メラニー・ロラン フランソワ・ベルレアン ミュウ・ミュウ 
監督:ラデュ・ミヘイレアニュ
http://orchestra.gaga.ne.jp/

偏差値:60.5 レビューを書く 解説

圧倒的なオーケストラパワー [97点] [参考:1]

このレビューはネタバレを含みます

主人公は昔、天才指揮者でありながらブレジネフ政権のユダヤ人排斥で失脚してしまう。今はロシア・ボリショイ交響楽団の劇場で清掃員として働くしがない身。

掃除中にたまたま取ったFAXのパリの一流劇場からの出演交渉依頼を見て、昔の楽団仲間を集めて偽の交響楽団に扮して出場しようと奮闘するドタバタ喜劇?いや感動作?

この映画は一言でとてつもないお伽話、ありえない話。
この寄せ集めの、いってみればもう過去に忘れ去られた団員達。
それぞれ国の底辺でしぶとく生きて、音楽以外の仕事で生計を立てている。
そんな彼らが、30年ぶりに演奏するのだ。もう老いた団員たちといっていい。
おまけに、パリに着くなり各々が好き勝手するハチャメチャぶり。
リハーサルも3人しか現れず。
もう当日ぶっつけ本番一発勝負。
「ええ?リハーサルなし~?」なんて、そんな奇跡的な凄い演奏ができるわけないでしょう。
と、信じがたいのだけどこのおかしな人達、やっちゃうのよね~。
ラスト12分のチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲。
人の感情の起伏のような激しい「うねり」のような音楽の波に乗って、美しく見事に弾くヴァイオリニストとのコンチェルト。
前半・中盤までのこっけいなドタバタ喜劇の後に、こんな凄い演奏シーンが待っていたとは!

やっぱり音楽も映画も「情熱」なんだ。
役者も監督もスタッフも「情熱」というパワーで創り上げたようなエネルギッシュな作品!

魅せられた。

もうこの演奏シーンは泣きの連続。
映画館の大音響で聴く「オーケストラの魔力」には逆らえない。
「北京ヴァイオリン」でもこの曲には嫌ってほど泣かされたが、やはりチャイコは天才!

当時、この協奏曲が初演で?不評だったなんて全くもって信じられない。
よっぽど演奏が悪かったのだろう。

2010/06/01 22:13 (2010/06/02 10:25修正)

ちりつも

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