Moon
2009/イギリス/ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
出演:サム・ロックウェル ドミニク・マケリゴット カヤ・スコデラーリオ ベネディクト・ウォン マット・ベリー マルコム・スチュワート ケヴィン・スペイシー
監督:ダンカン・ジョーンズ
http://moon-otoko.jp/
SF密室ミステリー [81点] [参考:1]
このレビューはネタバレを含みます
『地球に落ちて来た男』のデヴィッド・ボウイの息子が鮮烈の監督デビュー。
これ、僕が『プレステージ』やアニメ『イーオン・フラックス』を見たときの疑問点に答えてくれる映画です。『第9地区』と同時期に公開されましたけど、こっちは話題になりませんでしたね。でも僕は好きです。これ。宇宙基地のセットとか、かなりかっこよくて、つい『惑星ソラリス』や『2001年宇宙の旅』を思い出してしまいました。これは監督は相当なSFファンかと。
月にたった一人、3年間任務につくことになった主人公。この人が会社の道具にされていることに気づき、謎に迫っていくSF映画の形を借りた密室ミステリー映画です。
クローンは何も知らないけど、ひとりひとりが人間だということ。それがこの映画を見終わった後も余韻として長く考えさせられるところです。
オリジナルの人間は宇宙に行ったのかもわからない。本人は自分のクローンが月にいるということも多分知らないでしょう。ただクローンだからって月に取り残されていいのかというとそれは違う。クローンだって愛する妻に会いたいのだし、ひとりひとりが感情を持った人間なのです。もしもう一人の自分と会ったとき、自分ならどう思うか。そう考えさせられました。クローンが別のクローンを殺そうとしたシーンもありますけど、結局は助けたところが泣けてきます。
後半はCG合成なのかな? 一人で二役同時に演じててすごいですね。ストーリー面でも、一登場人物だけで、ここまで描ききったのはすごいと思います。
2010/09/02 04:25