2009/日本/ワーナー・ブラザース映画
出演:神木隆之介 桜庭ななみ 谷村美月 仲里依紗 富司純子
監督:細田守
脚本:奥寺佐渡子
キャラクターデザイン:貞本義行
作画監督:青山浩行、藤田しげる、濱田邦彦、尾崎和孝
アクション作画監督:西田達三
美術監督:武重洋二
音楽:松本晃彦
主題歌:山下達郎
http://s-wars.jp/
夏休みにはこれを観よう! [80点] [参考:2]
なるほどタイトルどおり夏休みに観るのがふさわしい映画である。
物語は前作の『時をかける少女』とは全く趣の違うものとなっており、あの切なさをもう一度と思って観ると残念だと感じる人もいるかも知れない。
しかしここは二匹目のドジョウを狙わす新しい作品にチャレンジした細田守監督とそのスタッフの意気込みを買いたい。
この作品に描かれた日常の世界そして非日常のバーチャルな世界の描写は実に見事であり見ごたえがある。
その反面、前作と異なり登場人物がやたら多くなったためか、ひとりひとりの人物描写が稀薄になったとの印象も否めない。
また物語の核となるバーチャルな世界ではネット用語が当たり前のように使われているのだが、親子連れで観にきていた子供たちやどう見ても普段インターネットはやらないだろなと思われる大人たちははたして理解しているのだろうか、といらぬ心配をしてしまった。
映像の完成度は素晴らしいのにストーリーが万人向けでないのがやや残念な気がしてならないが、その意味が分かる人にはとても楽しい作品でもある。
また有名俳優を使った吹き替えも思ったよりよかったのだが、永井一郎など本職の声優がからむとやはり見劣り、いや聞き劣りしてしまうのは仕方がないところか。
そんな中で最も気になったのが谷村美月が吹き替えた池沢佳主馬で、吹き替え自体は上手いのだがどうしても女の子の声にしか聞こえず、映画の終盤まで男っぽいふりをした女子中学生だと思っていた。
しかしそれを差し引いても、気弱な男子高校生がひょんなことで知り合った大勢の他人と協力し、その知力を駆使して広大なバーチャル世界で冒険を繰り広げる物語はやや難解ではあるが楽しく観ることができた。
現在の日本のアニメーション映画の監督と言うと、誰もがまず宮崎駿の名をあげ、押井守、大友克洋、原恵一等々(書き入れなかった皆さんすいません。)と続いて行くが、本作の監督である細田守もそう遠くない日に誰もがその名前をあげる監督になると確信している。
2009/08/10 20:06
kira
言われてみればそうですね。
ネット社会とは一番無縁なおばあちゃんが状況もわからないまま自分なりの方法で思わぬ活躍をしますからね。
本当にいろんな感想を読むのは楽しいです。
Good Luckさんのレビュー、楽しみにしてますよ。
kira (09/08/12 08:04)
確かに佳主馬は女子と思いました。
ネット世界を分かりにくくしたのは、難解にしたかったわけではないと思ってました。その状況が分からなくても、おばあちゃんのように様々な戦い方があるってことを表現したいのかと。
状況が分かる人はその人なりの戦いがあり、分からない人だって分からないからって投げたらだめなんだよ的な…
いろんな感想があると、楽しいですね。自分も時間あれば、レビュー書いてみます。
Good Luck (09/08/11 22:07)