ノーボーイズ、ノークライ
2009/日本・韓国/ファントム・フィルム/114分
出演:ハ・ジョンウ チャ・スヨン 徳永えり イ・デヨン 貫地谷しほり
監督:キム・ヨンナム
脚本:渡辺あや
音楽:砂原良徳
主題歌:iLL
http://noboysnocry.com
ノーボーイズだと、ノークライ。 [85点]
妻夫木聡や貫地谷しほりは、いつも通りと言えばいつも通りで、“チェイサー”とは全く違うちょっとおバカな役を演じたハ・ジョンウはちゃんと役作りしていてしっくりくるが、それ以上に僕は徳永えりのポッチャリに、眉薄にちょっとショックを受ける。
劇中の言葉を借りれば、バカで、ヤリ○ンの妹という役の雰囲気は十分出てていいんですけど、徳永えりファンは濡れ場はないけど、頑張りを観た方がいい。
渡辺あやの独特で繊細な脚本が韓国人監督でどうなるか興味深かったが、主人公二人が明らかに体格差があるのに互角だったり、ぶつかりあいとか、韓国映画と言えばハンマーやパイプ椅子をぶん回すような画をイメージしちゃうけど、血生臭さはあるにはあるが、その辺が押さえ気味で、もうちょっとぶつかり合ってもよかったと思わないでもないが、間の抜けた笑いにクスクスとし、主人公二人の現実と幻想に、何とも言えない心地よさを感じる。
擬似家族な食卓を見つめるシーンの優しい眼差しや、“その土曜日、7時58分”のような雰囲気も漂っている、どうすればいいのか分からず、事はうまく運ばず、背負っているモノは重くのしかかり、自分自身がどうしようもなく情けなく、そんな二人が歌い上げる“アジアの純真”に、何だか泣けてくる。
2009/08/09 22:15
いきいき
ハ・ジョンウの演技に注目 [60点]
家族を背負う男と知らない男
全く別世界の人間のはずなのに
出会うはずのない二人は出会い
そしてお互いに影響し合って
生きる・守るということを改めて考えていく
心底理解はできないけれど
そういう境遇や環境に置かれたら
人間はそこで順応するように行動してしまうのかもしれません
それにしてもハ・ジョンウという俳優素晴らしい変身ぶりで
恐るべしカメレオン技を見せつけてくれた
映画「チェイサー」で見せた殺人鬼の冷酷な顔から
今回は一転してとても愛くるしく人間臭い
家族を知らずに生きてきている設定だが
どこがでそれを求めているのかキュートで
彼もまたジョニデや松ケンと同様
色んな顔を見せれる俳優なのかも
今後の作品に注目していきたい
2009/08/06 02:06
ななりん
負の連鎖 [80点]
人の人生は、家族が基本となって成り立ってるんだなぁって、改めて感じました。育った環境で、人生が変わる。劣悪な環境から抜け出したくても、中々抜け出せない。悲しいけど、負の連鎖ってあるんだよね・・もちろん、抜け出せる人もいるけど・・。
娯楽だと期待しないで見れば、渡辺あやさんの世界観に考えさせられるかも。
2009/08/05 21:56
ぷらねっと
残酷だがやさしい気持ちになれる [65点]
日本映画とも韓国映画とも微妙に違う独自の雰囲気を持つ作品。「チェイサー」の犯人役で不気味な味を音楽の使い方が出していたハ・ジョンウがひょうひょうとして強烈な個性を出し、いつもは心のやさしい青年を演じることが多い妻夫木聡さんが、投げやりで自暴自棄になる複雑な性格をシリアスに演じています。子供のように感情爆発させたり、心の声を吐露したりする登場人物の姿に心を動かされずにはいられませんでした。破綻しそうな人物像から、時にはほっと慰められる優しさや愛情がちらっと伺えて、救われる気分になる。この映画のテーマである家族の絆をめぐって、2人の俳優さんの才能を競い合う展開には興味がそそられます。その演技が家族の存在を肩にのしかかるほどの重いものに見せたり、時には生きていくうえでの糧に見せたりしてくれます。誰もが自分の中に抱いている幼い頃の純粋だった「何か」をふと思い起こせるようなそんな映画です。残酷なようで、誰よりも、家族を愛しているんだということを。。。楽しさ&哀しさ、など、全体的にバランスの取れたいい作品です。
的確に現実味おびたセリフの数々。笑いのツボもしっかり押さえています。間の抜けた笑いにクスクスとし、主人公二人の現実と幻想に何とも言えない心地よさを感じます。社会的弱者の生きるエネルギー、悲哀をがれており、見終わったあとに若干あっさりしていますが、ジーンときます。
又この映画の音楽は韓国映画っぽくないので、日本映画は好きだけれど、韓国映画はちょっと。。。という方にも違和感のない映画だと思います。ゆったりした日常感があったり、消えない焦燥感もあったり、渡辺あやワールド全開でした。
2009/08/05 13:15
こっこ
2009年8月22日(土)、渋谷にて『ノーボーイズ、ノークライ -泣かない男なんていない-』の初日舞台挨拶が行われ、出演者の妻夫木聡、徳永えり、貫地谷しほり、柄本佑が登壇した。
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