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2009/日本・韓国/ファントム・フィルム/114分
出演:ハ・ジョンウ チャ・スヨン 徳永えり イ・デヨン 貫地谷しほり 
監督:キム・ヨンナム
脚本:渡辺あや
音楽:砂原良徳
主題歌:iLL
http://noboysnocry.com

偏差値:56.0 レビューを書く 解説

残酷だがやさしい気持ちになれる [65点]

日本映画とも韓国映画とも微妙に違う独自の雰囲気を持つ作品。「チェイサー」の犯人役で不気味な味を音楽の使い方が出していたハ・ジョンウがひょうひょうとして強烈な個性を出し、いつもは心のやさしい青年を演じることが多い妻夫木聡さんが、投げやりで自暴自棄になる複雑な性格をシリアスに演じています。子供のように感情爆発させたり、心の声を吐露したりする登場人物の姿に心を動かされずにはいられませんでした。破綻しそうな人物像から、時にはほっと慰められる優しさや愛情がちらっと伺えて、救われる気分になる。この映画のテーマである家族の絆をめぐって、2人の俳優さんの才能を競い合う展開には興味がそそられます。その演技が家族の存在を肩にのしかかるほどの重いものに見せたり、時には生きていくうえでの糧に見せたりしてくれます。誰もが自分の中に抱いている幼い頃の純粋だった「何か」をふと思い起こせるようなそんな映画です。残酷なようで、誰よりも、家族を愛しているんだということを。。。楽しさ&哀しさ、など、全体的にバランスの取れたいい作品です。
的確に現実味おびたセリフの数々。笑いのツボもしっかり押さえています。間の抜けた笑いにクスクスとし、主人公二人の現実と幻想に何とも言えない心地よさを感じます。社会的弱者の生きるエネルギー、悲哀をがれており、見終わったあとに若干あっさりしていますが、ジーンときます。
又この映画の音楽は韓国映画っぽくないので、日本映画は好きだけれど、韓国映画はちょっと。。。という方にも違和感のない映画だと思います。ゆったりした日常感があったり、消えない焦燥感もあったり、渡辺あやワールド全開でした。

2009/08/05 13:15

こっこ

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