2009/アメリカ/20世紀フォックス映画
出演:ベン・スティラー エイミー・アダムス オーウェン・ウィルソン ロビン・ウィリアムズ
監督:ショーン・レヴィ
http://movies.foxjapan.com/nightmuseum2/
スケールアップしたのにパワーダウンした作品 [70点] [参考:2]
舞台を前作のニューヨーク自然史博物館から世界最大のスミソニアン博物館に移し、スケールはアップしたものの映画としてのパワーはダウンした作品である。
謎の石板のパワーにより日没とともに展示物が命を吹き込まれ、夜な夜な暴れ回るという設定はそのままのためか細かい説明はなく、半ば強引に舞台をスミソニアン博物館に移すのだが、前作にあったなぜ?どうして?さてどうしようと言う描写もなくなった分ワクワク感やドキドキ感がほとんど感じられなかった。
前作もバカバかしい話ではあるがそれなりに理屈付けができていたのに比べ、本作は場所がスミソニアン博物館場になったため動き回る展示物の数は増えたものの、それが動くことの必然性が弱く、映画のために無理やり動かされているような気さえしていまいち乗りきれなかった。
それにいくら真夜中とはいえ天下のスミソニアン博物館に警備員が一人もおらず、展示物が大暴れしているのに誰も気づかないという設定にもかなり無理がある。
前作で警備員のベン・スティラーが夜な夜な動き回る展示物に手をやきながらも苦心惨憺して誰にも気づかれないように朝を迎え、そしてまた夜になるとドタバタが繰り返される面白さがこの作品には欠けているのだ。
確かに舞台の規模が大きくなった分、遊園地のビックリハウス的な面白さは前作以上なのだから、ストーリーにもう少し説得力があればもっと面白い作品になったと思うのだか、これがよくある2作目の宿命か。
それに必要以上に繰り返されるドタバタギャグや世界征服を企む古代エジプトの王カームンラーの間抜けぶりと彼に協力する悪党3人組(イワン雷帝、ナポレオン皇帝、アル・カポネ)の馬鹿丸出しの仲間割れなどが脂っこい料理のようでどうにも胃にもたれるのだが、アメリカ人はああいったくど過ぎるギャグが好きなのだろうか。
前作がけっこう好きな作品だっただけに、スケールはアップしたもののパワーはダウンしたのがどうにも残念でならない作品である。
2009/08/24 22:24