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2007/香港・中国・フランス/アスミック・エース/95分

出演:ノラ・ジョーンズ ジュード・ロウ デヴィッド・ストラザーン レイチェル・ワイズ ナタリー・ポートマン 
監督:ウォン・カーウァイ
音楽:ライ・クーダー

偏差値:61.8 レビューを書く

じれったさを楽しむ作品 [90点] [参考:1]

このレビューはネタバレを含みます

これは、自分の中の女の子の部分がビビッと反応した。じれったいくらいのスローな展開が、すぐに展開しちゃう恋愛ものよりずいぶん新鮮に映った。

内容は、恋人にふられた主人公が失恋の傷を癒すために旅に出たロードムービー。普通の人達を題材にしているのが特徴だろうか。普通っぷりを丁寧に丁寧に撮っている感じ。主人公の立ち位置は、自分の失恋以外はほぼ傍観者である。

ゆっくりと穏やかに育んでいくジュード・ロウとノラ・ジョーンズの関係に、なんだか恋愛物の少女マンガを読んでるような気分で乙女な気持ちを思い出してしまった。

あの二人がぎこちなく少しずつ距離を縮めていく感じ、ジュード・ロウが伏し目がちにポツリポツリと語るシーン、お互い遠慮がちに近づいていくじれったさがイイ。また、すべてを口に出さず言葉飲み込んでる様子もいじらしくてグッときてしまう。ジュード・ロウもいつもより2割り増しかっこよく見えてしまった。

ノラ・ジョーンズもかわいい女の子に仕上がってる。近くにいる知り合いの女の子っぽい普通さだ。初めての女優業であるが本人の雰囲気に合った役柄でピュアでキュートな感じがよく似合っていた。

主人公が普通な分、周りの俳優陣は安定した演技力でこの映画を支えていて特に気の強いレイチェル・ワイズの役は飛びぬけてキャラクターが立ってて際立っててよかった。

いろんな人とかかわりながら、一年近くかかって失恋の傷から立ち直り旅から帰ってきた主人公。もう前とは違いすっきりとした顔で少したくましくなっている。気持ちをリセットしないと新しい恋も生まれないのだろう。そういう彼女にジュード・ロウはちょっと戸惑った様子が可愛らしい。最後のブルーベリーパイの映像が妙にエロティックに映る。それは、甘い演出が多い中ピリッと効かせたスパイスのように最後の後味が大人っぽく終わったところは拍手だ。

2010/10/01 23:09 (2010/10/02 16:30修正)

peco

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