State of Play
2009/アメリカ/東宝東和/133分
出演:ラッセル・クロウ ベン・アフレック レイチェル・マクアダムス ヘレン・ミレン ジェイソン・ベイトマン ロビン・ライト・ペン ジェフ・ダニエルズ マリア・セイヤー ヴィオラ・デイヴィス
監督:ケヴィン・マクドナルド
原作:ポール・アボット
脚本:マシュー・マイケル・カーナハン、トニー・ギルロイ、ビリー・レイ
撮影:ロドリゴ・プリエト
音楽:アレックス・ヘッフェス
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重厚なクライムサスペンス [85点]
たまにTVでスポットCMを見かける程度であまり話題になっていないような気がするが、久々に重厚で見応え十分なクライムサスペンスを観ることができた。
麻薬中毒の黒人少年の射殺事件と、国会議員秘書の転落事故。
一見なんのつながりもないような事件だが中年新聞記者のカル・マカフリー(ラッセル・クロウ)が取材するうちに、その裏に潜む巨大な陰謀が明らかになっていく。
二転三転する筋書きに、画面から目をはなすことができない。
重厚なのは映画だけではなく、ラッセル・クロウの体型も十分すぎるほどどっしりとしており、有能だが頑固で昔タイプの新聞記者を好演している。
彼とコンビを組まされるWeb版担当の新米女性記者デラ・フライ(レイチェル・マクアダムス)が、時には彼とぶつかり、時には彼と協力しながら一人前の新聞記者になっていく過程も面白い。
そしてカルの大学時代のルームメートであり、事故死した秘書の上司で、ある企業の陰謀を追及する国会議員スティーヴン・コリンズ(ベン・アフレック)もこういった役が妙に似合っている。
また舞台が新聞社だけあって、印刷に間に合わせるための時間との戦いもあり、編集局長キャメロン・リン(ヘレン・ミレン)が上司とカルの間で苛つく姿が「クライマーズ・ハイ」を彷彿させる。
演技派ぞろいで久しぶりに面白い映画を観たなと思わせてくれる本作であるが、不満な点が2つある。
1つ目は「消されたヘッドライン」という邦題。インパクトがありそうだが意味がよく分からない。
2つ目は最後の展開。発想としては面白いのだが、大どんでん返しを狙ったのにかえって緊迫感が薄まったように思える。
まあこの2つがあってもクライムサスペンスとしては傑作であり、この手の映画が好きな人にはお薦めの作品である。
元々はイギリスのTVドラマでNHKでも放送されたらしいのだが、残念ながら観ていないため、ぜひ再放送をしてもらいたいものである。
2009/05/29 20:16