Slumdog Millionaire
2008/イギリス/ギャガ・コミュニケーションズ/120分
出演:デヴ・パテル フリーダ・ピント イルファーン・カーン
監督:ダニー・ボイル
http://slumdog.gyao.jp/
自分の運命を駆け抜けろ! [84点] [参考:1]
このレビューはネタバレを含みます
運命に導かれ、全速力で人生を駆け抜けていったスラムドッグズ(スラム街の負け犬)のスピード感あふれる珠玉のラブストーリー。
言わずと知れた2008年アカデミー作品賞を含む最多8部門を獲得した傑作。なので、作品の説明などは省き、感想のみを記載します。
観終わった後、これがアカデミー作品賞を取ったのかと作品内容とは別の感想がわきました。それほど、今までのアカデミー作品賞受賞作とは異質な感覚でした。
何が異質かというと、作品を通して主人公ジャマールの成長が全くない。ラブストーリーに深みを与える人間讃歌的な要素が全くない。ジャマールは運命を駆け抜けたけれど、人生を切り開いたわけではない。などです。
スラムドッグズとして、運命に翻弄されながらも懸命に生きようとしたのはジャマールの兄サリームでした。意地悪をしながらも本当は弟のことが大好きなサリーム。スラムドッグズとして生きるためには、ただ運命を受け入れるだけではなく、自分からアクションを起こさなければならないということを知るのです。おそらく多くの男性はサリームに感情移入するのではないでしょうか。
映画としはスピード感、細かい伏線を巧く利用する脚本、インドのパワフルな街並み・人々の勢いをそのまま画面に表現するあたりは最高に楽しい。そして、純然たるインド映画の音楽とは違う形で、インド音楽をマッチングさせる絶妙な演出。それを一番表しているのが、冒頭のムンバイをスラムドッグズが疾走するシーンではないでしょうか。これから始まる奇跡のストーリーに心がワクワクしました。
それにしても、最後までTVに出ればラティカが見てくれるということを期待して待つだけのジャマール。ラティカを命を懸けて救い出すサリーム。ジャマールに全く共感できないですよ。1人の女性に夢中になり、盲目になってなんでもできてしまう人は世の中にたくさんいるし…
エンドロール直前の駅で踊る子供時代のジャマールとラティカの映像はとってもラブリーでもう少し子供時代の物語を観たいなと思いました。
連想作品:「クイズ・ショウ」
(内容は対極にあるような気がしますが^^)
2009/04/26 19:04
Good Luck
2009年4月15日(水)、六本木にて、『スラムドッグ$ミリオネア』のトークイベントが行われ、インド顔として宣伝部長に選ばれたネプチューンの名倉潤が作品の印象を語った。
日本時間2009年2月23日、第81回アカデミー賞が発表された。『スラムドッグ$ミリオネア』が9部門ノミネートのうち8部門(作品賞、監督賞、脚色賞、撮影賞、編集賞、作曲賞、録音賞、歌曲賞)で受賞し、圧倒的な強さを見せた。
『スラムドッグ$ミリオネア』オスカー候補ダニー・ボイル監督うきうき会見
2009年2月18日(水)、六本木にて、『スラムドッグ$ミリオネア』の記者会見が行われ、ダニー・ボイル監督が登壇。日本の「クイズ$ミリオネア」の司会者みのもんたが応援にかけつけた。