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Annie Hall
1977/アメリカ/93分
出演:ウディ・アレン ダイアン・キートン トニー・ロバーツ シェリー・デュヴァル クリストファー・ウォーケン ジェフ・ゴールドブラム 
監督:ウディ・アレン

偏差値:57.6 レビューを書く

実はシンプルですっきりした恋愛物語 [85点] [参考:2]

登場人物がスクリーンから観客に話しかけてきたり、別字幕で本音を見せてみたり、スプリット画面のそれぞれの登場人物が会話を始めたり。映画的にかなり突拍子のない細工をあたかもフツーのように見せてくれます。セックスの最中にアニー(ダイアン・キートン)の魂が退屈そうに抜け出してきて、アルヴィ(ウディ・アレン)と会話を始めるなんていうのもありました。

こういう、いたずらのような楽しい演出は、挙げだすときりがなくて目を引きますが、この作品のベースになる物語は実にシンプルではっきりしています。アニーとアルヴィの恋愛物語は、各シーンで二人の恋のいきさつ・すれ違い・気持ちの変化などを実に細やかに丁寧に描きます。二人の会話も驚くほどリアルで、会話を重ねることで一種独特のタッチが生まれます。シーンはジャンプを重ねて一見不親切なほどですが、各シーンの描写が丁寧なので全体のストーリー展開にまごつくことはありません。それどころか、かえってジャンプするシーン間がイメージを膨らませ、いろいろと想像させてくれます。

ベースがしっかりしているから、演出上の小細工も絶妙のスパイスとなり、これはとっても”観心地”のいい映画。終わる頃には、アニーとアルヴィがとても愛しく感じられます。

2008/05/16 23:42

frost

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