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Changeling
2008/アメリカ/東宝東和/142分
出演:アンジェリーナ・ジョリー ジョン・マルコヴィッチ コルム・フィオール デヴォン・コンティ ジェフリー・ドノヴァン マイケル・ケリー ジェイソン・バトラー・ハーナー エイミー・ライアン ガトリン・グリフィス 
監督:クリント・イーストウッド
製作:クリント・イーストウッド、ロン・ハワード、ブライアン・グレイザー
脚本:J・マイケル・ストラジンスキー
撮影:トム・スターン
音楽:クリント・イーストウッド
http://www.changeling.jp/

偏差値:62.1 レビューを書く 解説

どんなに苦しくても負けを認めてはならない [99点] [参考:3]

このレビューはネタバレを含みます

ひっでえ話だ。いや本当にひでえ話です。ひどすぎてとても見ていられないという人もいるかもしれません。映画を見ていて怒りを覚える人もいるでしょう。しかし、そういう気持ちになるということは、映画として成功していることだと思います。

このショッキングなまでの歯がゆさ。僕はこれを見たとき『それでもボクはやってない』を見たときと同じ気持ちになりました。無理矢理自供させられた人のニュースも思い出しました。この映画は、国家権力に立ち向かっていった一人の女性の姿を描いています。

恐縮ながら、私事について書かせてもらいます。僕はこの映画が公開された年、本当にひどい一年でした。一年に二度もお金をだましとられ、人生を無茶苦茶にされ、なすすべがなかった自分の無力さに打ちひしがれました。警察に話しても被害届は受理してくれなかったし、検察に告訴しても突き返されました。悪質業者は法の抜け道を探して今ものうのうと生きていると思うと怒りがこみ上げてくるばかり。僕が話をした刑事には「だまされるのが悪い」というようなことを言われましたが、いいや、だました方が悪いのです。こんなことが許されてはならない! もう誰も頼れるものはなく、こうなると頼れるのは自分だけ。自分自身でひたすら闘っていくしかありません。それが現実でした。だからこの映画の主人公の気持ちは僕もすごくよくわかるのです。「それでも私は認めない」と、権力に屈することなく、ひたすら闘い続ける彼女の姿に僕は胸を打たれました。それゆえに、牧師や弁護士、学校の先生、精神病院の仲間たち、回りの人たちが正義のために彼女とともに闘っている姿に物凄く心の安らぎを覚えました。腐敗しきった警察の中にも、正義の心を持った人がいたことも嬉しかった。本当にひどい話ですが、その分、悪をねじふせた瞬間はスカッと気分が晴れて何とも気持ちがよかった。正義は勝つのです。僕は今もまだ悪質業者と闘っているところですが、今後も決して屈さない意志をこの映画に教えられた思いがしています。映画って、本当に素晴らしいものなんですね。

2009/12/12 02:49

シネマガ管理人

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