妻夫木聡×斎藤工×三池崇史監督『愛と誠』舞台挨拶

舞台挨拶の様子

6月16日(土)より公開となる映画『愛と誠』(三池崇史監督最新作/角川映画・東映配給)。

本作は老若男女すべての者の胸を焦がした名作コミックを、30年余の時を経て天才監督、三池崇史が映像化。実力派俳優:妻夫木聡演じる、超不良・太賀誠に、新時代のヒロイン:武井咲演じる、余りに純粋なお嬢様・早乙女愛が常軌を逸した献身を捧げる。また、愛への熱烈な想いを寄せ「君のためなら死ねる!」という名台詞が、時を越え今年の流行語大賞ノミネートとの噂も出ている斎藤工演じる石清水弘。

この度、三池崇史監督主催にて、妻夫木聡さん、斎藤工さんを迎えての「三池崇史監督presents大人だけの空間」試写会付トークショーが行われた。

■日時:4月18日(水)19:00~19:45
■場所:ビルボードライブ東京 (港区赤坂9-7-4東京ミッドタウンガーデンテラス4F)
■登壇者:三池崇史監督、妻夫木聡、斎藤工


三池監督:皆さんこんばんは、三池崇史です。
第7回三池崇史監督presents大人だけの空間に、ようこそお越しくださいました。
本日は、6/16より公開になります、私の最新作『愛と誠』をご覧いただきます。
なんと本試写会が一般の皆さまへの初お披露目となります!
世界初なので、ワールドプレミアのような感じです!
ということで、本日は『愛と誠』より、素敵なゲストを呼んでいます。
早速登場してもらいましょう。
『愛と誠』より、妻夫木聡さん、斎藤工さんです。どうぞ!

<妻夫木さん、斎藤さん登壇>

三池監督:『愛と誠』で太賀誠演じました妻夫木聡さん、そして岩清水弘演じました斎藤工さんです!一言ずつお願いします。

妻夫木さん:太賀誠を演じました妻夫木聡です。ここで一曲歌います!という雰囲気の場所ですね(笑)。よろしくお願いいたします。

斎藤さん:石清水弘を演じました斎藤工です。先ほど監督がワールドプレミアとおっしゃっていたので、武井咲ちゃんではなく申し訳ありません(笑)。

三池監督:ここは大人だけの空間なので、未成年は入れないんですよ。

斎藤さん:僕は武井さん一回り歳が違って干支が一緒なんです(笑)。

<トークショー開始>

三池監督:先日、完成披露会見をやりまして…爆笑でね、収集つかなかったんですよ。

妻夫木さん:すみません、反省しました。次の日、インターネットのニュースを見たんですよ。
「妻夫木:ふざけた映画」、「妻夫木、武井:よくわからない」なんて書かれてまして。

三池監督:「武井:台本をちゃんと読まなくていい映画」とかね(笑)。斎藤くん、石清水は?「君のためなら死ねる」というセリフはどうでした?

斎藤さん:全力で演じて、そのセリフを心から言えました。70年代って下手に撮ろうとするとやけどしそうなのに、それを三池さんが撮ったのはすごいと思いました。

三池監督:学生服はどうだった?武井咲ちゃんとの共演は?

妻夫木さん:咲ちゃんは今のままだからいいけれど、僕は14,5年前のことなんで。

斎藤さん:僕にとっては妻夫木さんの存在が大きかったですね。

妻夫木さん:俺だけ振り切ってるみたいじゃない(笑)。
(ポスターを見ながら)襟の高さにこだわったりしたんですよ!

三池監督:太賀は表面上はそこまで不良ぶる必要はなかったんですが、なんで学生服を着るんだと思われないように、衣装合わせなどで「襟の長さが・・・」など話したりしましたね。

妻夫木さん:伊原剛志さんが着るなら、なんでも大丈夫!と思っていました(笑)。
僕と工くんなら、30歳過ぎてもあきらめがつかないんだな、で済むかなと思って。

斎藤さん:伊原さん、48歳でしょ?

妻夫木さん:労わってあげて!撮影が明け方までかかることがあって、午前3時すぎには伊原さん小さくなっていましたよ!

三池監督:オレはこの映画で「男はいつでも高校生になれる!」と確信したね。

斎藤さん:咲ちゃんが小道具で置いてあった教科書を見て「今使っているのと同じだ」と言っていたのを聞いて驚愕しました。僕は12年前ですから!“新人類”かと思いました。僕は石清水が、役者人生でいちばん違和感にない役でしたね(笑)。

三池監督:撮影していて俺もそう思ってた(笑)。ラストの去っていく石清水が格好良かったよ。斎藤くんの最高の芝居だった!ちなみに太賀にとって石清水とは?

妻夫木さん:鬱陶しい!今と昔では意味が違うかもしれないけど、石清水は硬派ですよね。自分のほうに向いてくれない人のために生きられるすごさには心打たれるものがあると思います。

三池監督:そうそう話が戻るんですが、伊原さんが高校生に見えるよう、きちんと映画の中でうまく説明されているんですよ。

妻夫木さん:小学生でも考えつきそうな・・・いや、監督の演出の賜物です!

三池監督:普通、会見ではこういうふうに観てほしいと言うわけですが・・・。

妻夫木さん:ふざけた映画、よくわからないって間違った言い方をしてしまいました。
まれにみる、他に見たことがない映画・・・と言えば良かったですね。

三池監督:マスコミのみなさんからは絶賛と大ひんしゅくの嵐ですよ。俺は「やってしまったな!」と思ったわけ。

妻夫木さん:国際映画祭でバンバン上映したり・・・

三池監督:昨年、カンヌ国際映画祭に『一命』が出品されたんですが、この作品は無理!でも、いい映画なんです。

斎藤さん:僕はこの映画、今年の上半期No.1ですよ!

妻夫木さん:出来上がった作品を観て、監督の梶原一騎さん(原作者)へのリスペクトを感じました。

三池監督:俺が監督になる前に亡くなっているので会ったことはないけれど、俺は梶原一騎さんの大ファンで影響を受けている。実はその弟の真樹日佐夫さんとご縁があって、昨年末出来上がった作品をすぐに観てもらおうと思ったら「来年観るよ」と言われたけれど、今年の1月2日に亡くなってしまって・・・。きっと冥土の土産にして、梶原先生といっしょに観てくださっていると思います。

斎藤さん:真樹先生、高校生役で出演されているんですよね!

三池監督:一人異質なリアクションをしているので、わかると思いますよ。

妻夫木さん:そういえば、どうやってこの映画を宣伝すればよいか迷っているんです。今日観終わったら、感想を宣伝部に言ってほしい!こう言うとまた、「妻夫木:観客頼み」って言われるんだろうな(笑)。

三池監督:最後に、ひと言ずつお願いします。

斎藤さん:これから見るみなさんの感性にお任せして、素直に楽しんでいただきたいです。70年代の文化はエネルギーがあり、魅力的です。30年間もがいてきた自分を解放できました。今の人にこそ響く映画だと思います。周りの人に広めていただければと思います。

妻夫木さん:これからはふざけた映画もやっていこうと思います(笑)。よくわからないと言ってしまうのは、どんなジャンルにも当てはまらない映画だから。ひとつのジャンルに留めたくないので、自由に観てほしいと思います。

三池監督:非難も含め遠慮なく、映画を観ることを楽しんでください。

2012/4/19 7:22