メル・ギブソン (今週のスター)

いい目してるなあ

 メル・ギブソンは、僕は正直最初は好きじゃなかった。なんかごっついイメージしてたんだね。とはいってもその頃は何一つギブソンの映画は見たことがなかったんだ。見てないのに嫌いというなんて最低だね。でも「エア・アメリカ」(90)を見て、この人の目の美しさに驚いた。こんなに澄んだ瞳の俳優はそういないぞ。次に「フォーエヴァー・ヤング」(92)を見て感動した。何ていい奴なんだと思った。かっこいいなあ。もう虜になったね。大ファンになった。雑誌の人気投票で上位に立つのもわかるよ。

 彼はニューヨーク出身だけど、オーストラリアで活躍した俳優だ。「マッドマックス」(79)で華やかなスタートを切る。オーストラリア一の名匠ピーター・ウィアーにも気に入られ、「誓い」(81)、「危険な年」(83)にも出演。こうしてオーストラリア一のトップスターになれたから、「ザ・リバー」(84)からは活躍の場を難なくハリウッドに移すことに成功している。

 ハリウッドでの一番のヒット作は、「リーサル・ウェポン」(87)。凄まじいバイオレンスの男の映画。とにかくかっちょえかった。監督はリチャード・ドナー。二人の息のあったコンビネーションはここから始まる。この爆発的人気は、次々と続編を生む原動力となる。いやはや間違いなく「リーサル・ウェポン」はギブソンの代表作である。

 93年、どういう風の吹き回しか、いきなり「顔のない天使」でメガホンを取る。まあまずまずの出来映えだった。しかし彼の真の実力は2作目「ブレイブハート」(95)で発揮された。凄すぎる。「スパルタカス」が大好きなギブソンは、この世界を独自に再現した。とても素人とは思えない本格的な歴史大作。これでギブソンは俳優としてでなくプロデューサー・監督として2本のオスカー像を獲得。余裕の表情であった。ちなみに同作でもギブソンの澄んだ瞳がポイントである。

 他に「マーヴェリック」(94)とか「身代金」(96)に出て、いい感じだったけど、やっぱりまた監督して欲しいね。俳優の作る映画ってのは、普通の監督が作った映画にないとんでもないアイデアに溢れているからね。

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