ミラ・ソルヴィーノ (今週のスター)

アジア人と共演もできる才色備えた若手女優
 正直な話、僕がソルヴィーノを見て最初に思った感想は「普通の顔じゃん」だった。最初はあまり女優っぽくない人に見えたのである。ボディの美しさは折り紙付きだが、どちらかというと週刊誌のモデルかCMに出演してそうな顔に見えた。でも彼女は立派に成功した。普通のセクシー役はなるべく避け、アブノーマルな役どころを選びつづけたのが正解だった。「ノーマ・ジーンとマリリン」(96)では、マリリン・モンローがのりうつった! 吐き気がするほどグロテスクなホラー映画「ミミック」(97)では、すごいしかめっ面して、体中ベトベトにして苦行を乗り越えた。クエンティン・タランティーノと恋仲になって話題をふりまいたこともあった。「リプレイスメント・キラー」(98)ではチョウ・ユンファとの共演も実現した。アジア人との共演も目立ち、ただの金髪ギャルではすまない頑張りである。
 女優発掘の名人ウディ・アレンの作品「誘惑のアフロディーテ」(95)に出て、アカデミー賞を受賞したとき、授賞式で泣いてたのが懐かしい。あのとき、お父さんも泣いてたけど、本当は父親は娘に女優になって欲しくはなかったという。美人の娘を持った親は大変で、女優なんぞ、父親の嫉妬心が許さなかったのかもしれない。ソルヴィーノは学業を怠らなければ父親も安心するだろうと思って、ハーバード大学を無事卒業した。本来なら、金髪のセクシー女優は娼婦役に回されるのがオチで、バカに見えて損だというジンクスがあるが、ソルヴィーノは中国語も話せる秀才ぶりで、型にはまらずにすんだ。もう少し落ち着いてきたら、もっと面白い役が回ってくるだろう。

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