ミシェル・モルガン (今週のスター)

18歳とはとても思えない
 この人もまたいかにも「フランス女優」って感じのする女優である。なにがフランスっぽいかというと、その大人っぽい雰囲気。「霧の波止場」(38)を見たときには驚きましたよ。メランコリックな感じはまさにフランス女優だったけど、彼女の演じた役が17歳の役で、「嘘!無理があるよ!」なんて言ってたんだけど、だってすごく色っぽくて、とても未成年に見えなかったし、ジャン・ギャバンとラブ・シーンまで見せてたから。むこうじゃ子供と寝ても許されるのか!と疑問に思ってたくらいだけど、ところが、プロフィールを調べてみると、この映画に出ていたときは彼女は本当に18歳で、ほとんど役と同じ年齢だった。目つきが刺すような感じで据わっていたし、僕はてっきり実年齢は27歳くらいかと思っていた。それくらい老けて見えた。フランスの女優って、ほぼ例外なく、年を取るごとに色気と気品が増していくって気がしてるけど、ミシェル・モルガン見てると、ほんとそんな気がしてくるよ。
 「霧の波止場」が代表作だけど、キャロル・リード好きの僕としては「落ちた偶像」(48)もオススメ。ジャン・ドラノワ監督の「田園交響楽」(46)でカンヌ映画祭女優賞を受賞。ジェラール・フィリップとは「狂熱の孤独」(54)、「夜の騎士道」(55)で共演。この他「七つの大罪」(52)、「ナポレオン」(54)、「夏物語」(58)、「危険な階段」(60)などに出ている。68年にはレジオン・ドヌール賞を受賞。91年には「みんな元気」に出て健在ぶりをアピールした。

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