ヴィンセント・プライス (今週のスター)

怪奇映画御三家の一人

 ロン・チャニーを引き継ぐアメリカの名ホラー役者。
 クリストファー・リー、ピーター・カッシングとは違い、アメリカの俳優なので、活躍の土俵はまるで異なるが、それでも「怪奇映画御三家」という異名を欲しいままにすることができたということは、彼には相当な実力があったに違いない。

 彼が恐怖映画にのめりこんだのは、3D映画「肉の蝋人形」に出たことがきっかけである。その後「蠅男の恐怖」に出て、続いてロジャー・コーマンの下でエドガー・アラン・ポーの怪奇映画に立て続けに8本も出演している。リーとカッシングが英国のゴシックホラーに挑むなら、プライスはアメリカの怪奇小説で対抗した。ここから人気が急激にアップし、アメリカでは知らない人がいないほど有名になった。

 僕が気に入っているのは、マイケル・ジャクソンの「スリラー」である。この曲で怖いラップ・ナレーション読んでいたのは何を隠そうヴィンセント・プライスである。曲の最後では泣く子も黙るあの悪魔的笑い声も披露し、曲を100倍盛り上げている。この曲は音楽史における大革命だった。

 ティム・バートンはそうとうホラー映画好きで、ヴィンセント・プライスをテーマにした映画「ヴィンセント」を撮ったこともある。そして90年にはプライスの最後の作品となる「シザーハンズ」を撮った。プライスの役、泣けた・・・。

 実は美術が好きで、美術の本を発表したこともあり、かなりの通人である。

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