マドンナ (今週のスター)

エビータで、その見方が変わった
 マドンナ。音楽シーンでこんなに色白で綺麗な人は他にはいないだろう。僕も大ファンなんだけど、昔は大嫌いだった。名前から嫌いだったし、なんかいやらしいイメージがあったからだ。こんな人のどこがいいのだろうと思っていた。そのときは彼女が歌手だということも知らなかったけど、モンローみたいな格好をした人という程度にしか思っていなかった(僕は昔はモンローも嫌いだったけどさ)。で、映画が好きになってから、マドンナが歌手であることを知ったけど、歌手のくせに「ディック・トレイシー」(90)など、映画にしゃしゃり出てきて、生意気な奴だと思った。
 この人はとても開脚ポーズが好きな人で、このころクラスメートに「SEX」という写真集を見せてもらったんだけど、まるで静物写真であるかのような奇妙なポーズを取った写真ばかりで、とくにムラムラしたわけじゃないけど、なにかこの人は大きなことをしたのだろうと思った。彼女は人気があるのにはワケがあるに違いないと思って、僕もCDを2枚聴いてみたけど、どっちも僕の嫌いなタイプの音だったので、ますますマドンナが嫌いになってきた。
 では、いつ好きになったのかというと、「エビータ」(96)に出たあたりからかな。僕のイメージは崩れ去った。綺麗な衣装を何着も着替えて、魅力的な女優になっていた。美人ポップ・スターだからできたことだ。それから「Ray of Light」という曲を聴いて、これが僕の好きなタイプの音だったので、やっと好きになった。ずっとグラミー賞から無視されてたのに、「Ray of Light」でグラミー賞もやっと彼女を認めた。それから「MUSIC」という曲を出したけど、この曲にも僕はビビビときた。なかなかやるじゃんと思った。
 僕がハリウッドを旅したとき、ハリウッドは映画の町ではなく、下着ショップの町であることを知ってガッカリしたもんだけど、下着博物館みたいなものあって、そこにマドンナの衣装が堂々と飾られてあって、それを見て、この人は女性達に尊敬されるアイコンに違いないと思ったもんだ。
 で、1985年に開催されたライブ・エイドのDVDを去年買ってみたんだけど、マドンナがすごく初々しい姿で出ていたので驚いた。昔はヴァージンっぽさを売りにしていたのだろう。ダンスの振り付けがなんだかとてもプリティだった。ここから僕はファンになった。
 そして2005年、ライブ・エイドならぬライブ8にもマドンナは出演。ライブ・エイドから20年。すごく綺麗なお姉さんになっていたけど、あのころの初々しさはどこへいったか、強い女を演出して、「MUSIC」を歌って、すごいパワーだった。会場のみんな全員に手拍子をさせるべく「さあみんな手を叩くのよ! 1分だけでいいからみんな一緒に手を叩いて! そこのパパラッチもみんな手を叩くのよ! さあカメラをおいて手を叩きなさい! 全員が手を叩くまでやめないわ!」と叫んで、本当にみんな手を叩いてたのだから、すごい迫力だった。

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