マイケル・ダグラス (今週のスター)

ほんの一夜のつもりだったのに・・・
 ちょっとした遊びのつもりで抱いた女がストーカーとなってつきまとうスリラー映画「危険な情事」(87)。同作は男達にとって本当にショッキングな内容だった。映画雑誌以外のビジネス誌・男性誌などでも巻頭特集され、映画は空前の大ヒットを記録し、映画を見た男たちはびびってもう夜遊びをしなくなったとか。僕自身も多分に影響を受けた一人で、この映画を見てから、甘い誘いが逆にゾッと感じるようになった。もし自分を誘惑する女がいたら知らんぷりしてやれ(の予定)。我ながら変な教訓を学んだものである。
 主演のマイケル・ダグラスにはこの種の男役のイメージがからみつき、その後の大ヒット作は決まって女ネタのやばいシロモノばかり。センセーショナルなセクシー・スリラー「氷の微笑」(92) 、女性が男性にセクハラをする「ディスクロージャー」(94)などなど。「ディスクロージャー」ともなると、観客も調子づいちゃって「お、待ってました!」みたいなノリになってきた。なんかうらやましい気もするけど、いやいや、たいへんな災難なんです。マイケルさん、プライベートではどうなんでしょうね?

 もともとはプロデューサー。「カッコーの巣の上で」(75)でアカデミー賞最優秀作品賞を受賞したのは有名な話である。俳優として本格的にスタートするのは意外に30代半ばからだった。
 父はご存じ名優カーク・ダグラス。「ワンダー・ボーイズ」(00)の枯れた演技といい、実力は父親譲りだ。

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