マイケル・J・フォックス (今週のスター)

人生は素晴らしい。僕は幸運な男だ。
 ずっと前から、フォックスはパーキンソン病と闘っていた。ある日突然左手の小指がぴくぴく震えだし、何事かと思った。30歳という若さで、フォックスはパーキンソン病に冒されてしまった。パーキンソン病は少しずつ体の神経を破壊していく。テレビのインタビューでは、手が震えて、コーヒーをこぼしてしまった。98年9月、自分がパーキンソン病だということを発表し、世界中の患者たちに勇気を与えた。パーキンソン病患者は精神的苦痛から鬱病になる可能性が高いと言われているが、フォックスは妻の愛に支えられ、前向きに病気を受け入れている。彼が書いた一冊の本「ラッキーマン」は、人生の素晴らしさを謳った本である。人々に広くこの病気について知ってもらう機会を得たことに感謝し、フォックスは自らを幸運な男だと語る。
 今から12・3年前、僕の実家の近所にレンタルビデオショップが出来て、生まれて初めてビデオを借りた。タイトルは「バック・トゥ・ザ・フューチャー」(85)。姉の薦めで借りたのだが、僕は映画の見方のイロハを何も知らず、姉にいろいろと教えられながら鑑賞した。僕は映画を見て初めて「面白い」と思った。ワクワクした。何度も何度も見た。そしてマイケル・J・フォックスに憧れた。名前に「J」がつくところが気に入って、学校でも友達の前で「マイケル・J・フォックス!」と無意味に名前を連呼して、自分だけがフォックスの名前を知っていることを自慢にしていた。「バック・トゥ・ザ・フューチャー」は僕の映画の原点とも言える思い出の一本なのである。
 個人的には戦争映画「カジュアリティーズ」(89)も見事な構成で好きである。パーキンソン病を患ってからの作品では「さまよう魂たち」(96)が頑張っていて◎。声優の仕事も多く、「スチュアート・リトル」(99)のネズミの声には不思議なかっこよさがあった。

オリジナルページを表示する