ヘンリー・フォンダ （今週のスター）

(1905～1982)

　アメリカの良心を演じたスター

　俳優といえばヘンリー・フォンダというくらい、ヘンリーは最も有名な映画スターのひとりだった。３０年代後半から、６０年代にかけては大活躍していたものだ。
　「若き日のリンカン」でリンカーン大統領を演じて以来、ずっとアメリカの良心・誠実・正義を貫く紳士の役で色々な名作を生み出していった。
　代表作は「荒野の決闘」と「怒りの葡萄」である。ワイアット・アープ役のちょっとした感情表現と、「怒りの葡萄」の最後の演技などはまさに名演である。
　唯一セルフプロデュースしたサスペンス「十二人の怒れる男」もこれまた優れた傑作である。もともと顔つきが社会派ドラマ向きなので、その手の役は多い。アルフレッド・ヒッチコックにしては暗めのシリアス・ドラマといわれている「間違えられた男」もヘンリーだからこそ良かった。
　でも「ミスタア・ロバーツ」など、ちょっとコミカルな役もけっこういけてた。