ヘンリー・トラバース (今週のスター)

二級天使登場
 わがサイト一番の目玉ともいえる「今週のスター」が、ついに300回を迎えた。いや実にめでたい!・・・と喜んでるのは僕一人だけかも。まあいい。僕の自己満足でここまでやってこれたのだから、これからも「今週のスター」はマイペースに更新していきます。
 今週は、ちょっと渋い人選でヘンリー・トラバースにしてみました。管理人自身によるリクエストです。
 ヘンリー・トラバースは「ミニヴァー夫人」(42)、「キュリー夫人」(43)などで知られている脇役俳優。見た目が柔らかくて、丸っぽくて、すごく優しそうなおじさんなので、とぼけた役が多かった。左写真はヒッチコックの「疑惑の影」(42)のためのプロモーション写真。写真を見る限りではスリラー映画らしく、なにやら緊張感が漂っているけれども、実際映画の中で出てくる彼の役は推理小説マニアのお父さん役だ。パイプをくわえて、殺人方法についてツッコミを入れるお笑いキャラ的な役柄を務めていた。おそらく「疑惑の影」の中でもとりわけ記憶に残る脇役だっただろう。
 彼を300人目に持ってきた一番の理由は、「素晴らしき哉、人生!」(46)で最も重要な脇役を演じていたからだ。彼が演じたのは生きる希望を失った主人公に人生の素晴らしさを伝えるべく天界からやってきた二級天使クラレンス。「素晴らしき哉、人生!」は僕の人生観を根底から変えてしまった映画。思い入れも強いので、僕の中ではヘンリー・トラバースは永遠に忘れられない俳優となっていたこともあり、いつか「今週のスター」で紹介しようと思っていた次第である。
 クラレンス役はすごく難しい役だと思う。ヘンリー・トラバースの場合、とくに役作りするまでもなくクラレンス役にピッタリはまっていた。ただ立っているだけでも味がある。うらやましい才能を持ったものである。

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