ベン・キングスレー (今週のスター)
僕が今までに見た歴史物の中でも一番好きな映画は「ガンジー」(82)だ。社会のことに何の知識を持たなかった僕が、生まれて初めて歴史に興味を持つきっかけを作ったのも「ガンジー」だった。だから僕は「ガンジー」が大好きだし、主演のベン・キングスレーの大ファンだ。キングスレーの偉業は、ロレンスを演じたピーター・オトゥールと並び、最も賞賛すべきことだと思う。同じ頃、「E.T.」が社会現象になっていたにも関わらず、アカデミー賞協会は「ガンジー」にオスカーを贈った。そのことでマスコミ関係者は協会を「あいつらの頭は堅すぎる」とののしったといわれているけれど、僕は「ガンジー」が選ばれて満足している。この手の映画はスピルバーグものと違って、時が経てば忘れられることが多いだけに、オスカー受賞したことで「ガンジー」再評価の有効期限が無限になったのが嬉しい。だから業界はキングスレーの名前をいつまでも記憶の片隅から葬らなかった。
そして彼は90年代に入ってから再評価される。一発屋と言われてたまるかと言うかのごとく「バグジー」(91)を皮切りに、「スニーカーズ」(92)、「ボビー・フィッシャーを探して」(93)、「シンドラーのリスト」(93)、「スピーシーズ」(95)と話題作の出番が増えてくる。ガンジーとはひと味もふた味も異なる冷静で落ち着いた雰囲気を醸しだし、今では作品のイメージカラーまでも左右してしまう名バイ・プレイヤーに。キングスレーを見ていると、脇役というものがいかに影響力があるか、改めて考えさせられる。
そして彼は90年代に入ってから再評価される。一発屋と言われてたまるかと言うかのごとく「バグジー」(91)を皮切りに、「スニーカーズ」(92)、「ボビー・フィッシャーを探して」(93)、「シンドラーのリスト」(93)、「スピーシーズ」(95)と話題作の出番が増えてくる。ガンジーとはひと味もふた味も異なる冷静で落ち着いた雰囲気を醸しだし、今では作品のイメージカラーまでも左右してしまう名バイ・プレイヤーに。キングスレーを見ていると、脇役というものがいかに影響力があるか、改めて考えさせられる。