ヘレン・ヘイズ (今週のスター)

(1900~1993)

 「ヘレン・ヘイズを見て女優になりました」

 31年に夫が脚本を書いた「マデロンの悲劇」でアカデミー主演女優賞を受賞、32年は「戦場よさらば」でゲーリー・クーパーと共演。映画での活躍で目覚ましいものといえばこれくらいしかないかもしれないが、テレビでの活躍は評判が良く、アガサ・クリスティのミス・マープルの役など、はまり役もある。あちらの国では国民的スターだったのだ。

 僕はヘレン・ヘイズがどういう女優かは知らない。彼女の映画で僕が見たことがあるのは、「大空港」(70)だけだからね。確か無賃乗車するおばあさんの役だったように覚えている(これでヘレン・ヘイズは二つ目になるアカデミー賞を受賞した)。
 でもそれでもヘレン・ヘイズを紹介したいと思ったのは、彼女がとても尊敬される女優だったからである。映画・舞台・テレビとキャリアは長く、5歳でデビューしてから何と80をすぎても女優として活躍していた。彼女は女優として生き、女優として死んでいったのだ。僕はテレビを見ていて「ヘレン・ヘイズを見て女優になりました」と若い女優が話している光景を何度か見たことがある。この人を見て女優になりたいと思う人が何人もいるということは、それだけヘレン・ヘイズが女優らしさを持った理想型の女優だったに違いない。

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