ウィリアム・ホールデン (今週のスター)

 50年代のハリウッド・ドル箱スター

 ウィリアム・ホールデンといえば、二十歳で芸能界デビューしているけど、あまりその頃は有名ではなかった。しかし、30を過ぎると、ビリー・ワイルダーの目にとまり、50年「サンセット大通り」が大当たり、53年「第十七捕虜収容所」で特徴のあるキャラクターで人気を高め、「麗しのサブリナ」(54)で益々ネームバリューが急上昇する。これもビリー・ワイルダー様々のおかげ。
 ほんと50年代は、ハリウッド映画の顔みたいな感じで、「ピクニック」(55)、「慕情」(55)、「戦場にかける橋」(57)など、あらゆる傑作に出演していたものだ。ハリウッドのレギュラー役者といってもよかった。

 顔を見てみると、普通の表情の時は平凡な顔なんだけど、でも役作りしたら、いかにも俳優らしい顔になっちゃう不思議な魅力の男性スターである。その曖昧さがハリウッド映画の常連につながったのだと思うし、当時ナンバー1のドル箱スターだったのも頷ける。

 でも、彼の時代は60年代には終わっていた。冴えない年月が続いた。彼はいつの間にか老けていった。しかし、皺が深くなって渋味を増してきた頃、ニューシネマ時代の異色西部劇「ワイルドバンチ」(69)で、新しいファンを獲得。79年には再びビリー・ワイルダーの作品「悲愁」に起用され、男性的な中年親父っぷりが好印象を残した。

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