ピーター・オトゥール (今週のスター)

無冠の主演男優

(スマン。また英国俳優を紹介します。このコーナーもイギリス人ばっかり紹介してますねぇ)

 僕の勝手な調査だが、ピーター・オトゥールという人は、好きな人なら相当ハマってしまうが、そうでない場合、どうでもいいような傾向にある感じがする。オトゥールの目が魅力的に見えるか、そうでないかの差なのか? まさかね。オトゥールはとにかく不遇なのである。

 オトゥールの主演作の一覧を見ていると、そりゃもういい映画にいっぱい出ていて、顔は独特で役柄が限定されてしまいそうな感じがするのに、色々なタイプの人物を堂々と演じていることに驚くばかりだ。「おしゃれ泥棒」(66)みたいに、コミカルな役やらせたら最高に決まっている。
 歳を取ってからも、貫禄が出てきて、「ラストエンペラー」(87)を見てみても、益々いい顔になってきている。うちの姉の話によれば、ハウステンボスのCMにも出ていたそうだ(本当かよ?)。ちなみにうちの姉はオトゥールが嫌いだったが恐らく、最も予算をかけたポルノ大作「カリギュラ」(80)、ゴーストツアーなるものを企画するコミカルなおっちゃんに扮した「プランケット城への招待状」(88)など、アクの強い役が多すぎるからだろうか?

 一番興味深いのが、アカデミー賞歴。たぶんオトゥールはもっともオスカーに縁のない男である。出世作「アラビアのロレンス」(62)では、受賞は順当だと思われていたのに、あろうことか受賞を逃してしまった。これは今考えてもありえないことなのに!
 それから後もまさしくアカデミー賞に恵まれておらず、「ベケット」(64)、「冬のライオン」(68)、「チップス先生さようなら」(69)、「The Ruling Class」(72)、「スタントマン」(80)、「My Favorite Year」(82)と、常連のごとく毎度毎度オスカーレースに参戦しているのに、一度も勝ち星をあげたことがない。この記録はスピルバーグ、アル・パチーノと張り合ってたけど、2人ともようやく92年・93年に受賞したので、オトゥールがオスカーに最も見放された男のワーストワンの烙印を背負う羽目になってしまった。同情しちゃうよね。

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