ハリソン・フォード (今週のスター)
え、まだハリソンさん特集してなかったの? 実はそうなんです。いやー、ファンの皆様お待たせいたしました。
さて、ハリソン・フォード。この人は地味な感じがするけど、いつの間にか人々から敬われる大物スターになっていたような気分である。
粋なビジネスマンの役や、渋い刑事さんの役などが似合う男で、片言の日本語で日本のビールのCMにも出演して、お茶の間でも有名になった。しかしお茶の間のおじちゃんおばちゃんたちはハリソンを知らなすぎた。CMで顔は知っているが、何の映画に出ているのかわからないから困ったものである。本当は凄く売れてる映画俳優なのにだ。
若い頃はなかなか役に恵まれず、30代になってもまだ端役生活を送っていたが、77年「スター・ウォーズ」のハン・ソロ役を得て、ジョン・ウェインを思わせる風貌が受け、それからスターダムにのし上がる。頭角を現したのは80年代からで、以後出演作品の全てが高く評価されている。
なんといってもハリソンのはまり役はインディアナ・ジョーンズである。「レイダース」(81)は50年も昔の映画スタイルを蘇らせた実にハリウッドらしい作品であり、ハリソンはエロール・フリンばりの痛快な冒険活劇を演じてみせた。インディ役ではあのアゴの傷(舞台劇で怪我してできた)も愛らしく見えた。
「ブレードランナー」(82)もまた見逃せない一本である。これも数十年昔の映画を思わせる作品であった。ハリソンはまるでスティーヴ・マックィーンのような髪型で登場し、ハンフリー・ボガートのようなハードボイルドな演技を披露。ハリソンにとっては異色かもしれないが、これこそハリソンの真のイメージを決定づけるものだったのではないだろうか。
「パトリオット・ゲーム」(92)のジャック・ライアン役もポピュラーだが、「エアフォース・ワン」(97)で演じた大統領役もまた忘れられない。アメリカは大統領バンザイ大国で、映画で大統領をとんでもない英雄にしてしまうのが好きだが、ハリソン演じる大統領は他作品と違って極めて勇敢で冷静沈着なところがかっこよかった。
ハリソンは、古き良きハリウッドスターの香りを持つ数少ない俳優の一人である。ボガート、コールマン、フリン、ウェイン、ヘストン、マックィーン・・・。彼ほど往年のハリウッドスターのスタイルを受け継いだ役者はいまい。と言うとハリソン・ファンに失礼かもしれないが、これは本当は賞賛に値することなのだとわかってほしい。ハリソンがいたお陰で、映画業界は昔のスタイルを見直すきっかけを作ったのかもしれないのであるし。近年のリメイクブームの原動力となったのは、「サブリナ」(95)に出演したハリソンの才能ではないか?
彼がいかに尊敬されているかは、作品の監督名を見るだけでも一目瞭然。スピルバーグ、ウィアー、ポランスキー、ニコルズ、パクラ、ポラック、ペーターゼン、ゼメキス。監督で選んでいるのではないかと誤解してしまうほど、いろいろな監督とコネを持つ男である。どの作品も傑作で、映画ファンからの受けも非常にいい。それなのに一般人に知られていない作品が多いのは、彼の映画が硬派なものばかりだからなのだろう。
まだハリソンの映画をあまり見たことがないという人は、騙されたと思って、何か一本借りてみるべきである。彼の映画は全部面白いから、きっと満足してもらえるだろう。
彼は自分のイメージが固定化することを嫌っているのだろうか、何かに挑戦しようとする意気込みが、どの作品からも伝わってくる。例えば「刑事ジョン・ブック/目撃者」(85)。これは文字通りの傑作だ。
ちなみにアカデミー賞からは嫌われているようで「ワーキング・ガール」(88)、「逃亡者」(93)が作品賞にノミネートされたときも、ハリソンは無視されてしまった。でもそこが彼の愛嬌。
さて、ハリソン・フォード。この人は地味な感じがするけど、いつの間にか人々から敬われる大物スターになっていたような気分である。
粋なビジネスマンの役や、渋い刑事さんの役などが似合う男で、片言の日本語で日本のビールのCMにも出演して、お茶の間でも有名になった。しかしお茶の間のおじちゃんおばちゃんたちはハリソンを知らなすぎた。CMで顔は知っているが、何の映画に出ているのかわからないから困ったものである。本当は凄く売れてる映画俳優なのにだ。
若い頃はなかなか役に恵まれず、30代になってもまだ端役生活を送っていたが、77年「スター・ウォーズ」のハン・ソロ役を得て、ジョン・ウェインを思わせる風貌が受け、それからスターダムにのし上がる。頭角を現したのは80年代からで、以後出演作品の全てが高く評価されている。
なんといってもハリソンのはまり役はインディアナ・ジョーンズである。「レイダース」(81)は50年も昔の映画スタイルを蘇らせた実にハリウッドらしい作品であり、ハリソンはエロール・フリンばりの痛快な冒険活劇を演じてみせた。インディ役ではあのアゴの傷(舞台劇で怪我してできた)も愛らしく見えた。
「ブレードランナー」(82)もまた見逃せない一本である。これも数十年昔の映画を思わせる作品であった。ハリソンはまるでスティーヴ・マックィーンのような髪型で登場し、ハンフリー・ボガートのようなハードボイルドな演技を披露。ハリソンにとっては異色かもしれないが、これこそハリソンの真のイメージを決定づけるものだったのではないだろうか。
「パトリオット・ゲーム」(92)のジャック・ライアン役もポピュラーだが、「エアフォース・ワン」(97)で演じた大統領役もまた忘れられない。アメリカは大統領バンザイ大国で、映画で大統領をとんでもない英雄にしてしまうのが好きだが、ハリソン演じる大統領は他作品と違って極めて勇敢で冷静沈着なところがかっこよかった。
ハリソンは、古き良きハリウッドスターの香りを持つ数少ない俳優の一人である。ボガート、コールマン、フリン、ウェイン、ヘストン、マックィーン・・・。彼ほど往年のハリウッドスターのスタイルを受け継いだ役者はいまい。と言うとハリソン・ファンに失礼かもしれないが、これは本当は賞賛に値することなのだとわかってほしい。ハリソンがいたお陰で、映画業界は昔のスタイルを見直すきっかけを作ったのかもしれないのであるし。近年のリメイクブームの原動力となったのは、「サブリナ」(95)に出演したハリソンの才能ではないか?
彼がいかに尊敬されているかは、作品の監督名を見るだけでも一目瞭然。スピルバーグ、ウィアー、ポランスキー、ニコルズ、パクラ、ポラック、ペーターゼン、ゼメキス。監督で選んでいるのではないかと誤解してしまうほど、いろいろな監督とコネを持つ男である。どの作品も傑作で、映画ファンからの受けも非常にいい。それなのに一般人に知られていない作品が多いのは、彼の映画が硬派なものばかりだからなのだろう。
まだハリソンの映画をあまり見たことがないという人は、騙されたと思って、何か一本借りてみるべきである。彼の映画は全部面白いから、きっと満足してもらえるだろう。
彼は自分のイメージが固定化することを嫌っているのだろうか、何かに挑戦しようとする意気込みが、どの作品からも伝わってくる。例えば「刑事ジョン・ブック/目撃者」(85)。これは文字通りの傑作だ。
ちなみにアカデミー賞からは嫌われているようで「ワーキング・ガール」(88)、「逃亡者」(93)が作品賞にノミネートされたときも、ハリソンは無視されてしまった。でもそこが彼の愛嬌。