バーバラ・スタンウィック (今週のスター)

(1907~1990)

 僕の中じゃ、ミス・アメリカなんです。

 バーバラ・スタンウィック。映画ファンなら、「あ゛ぁ・・」と溜息が出てしまう女優だね。だってクラシック映画を見ていたらよく顔を見かける個性派女優だからね。ほんと、スターらしい風格がある。

 演じたキャラクターは、悪女役が多かったみたい。夫を殺そうする妻の役を演じた「深夜の告白」(44)は、今じゃフィルム・ノワールの最高傑作と言われている作品だけど、それもスタンウィックに魅力があったからここまで評価されたんだと思うし、とにかくこの悪女の雰囲気が凄いんだな。顔だけでも思わず誰かに見せたくなるハイセンスな悪女顔だった。映画も凄いけど、彼女の格好だけでも恐れ入るよ。「いかにも」って感じだったね。

 でも、いい感じの役もいっぱいある。はつらつとした表情見てると、僕は彼女こそミス・アメリカ!なんて思っちゃう。確か何かの雑誌で、「最もアメリカ的なアメリカ女優」に選ばれた記憶がある。そりゃそうだね。ほんとにアメリカって感じがする。特にニューヨークのOLっぽいかな。そういえば「最もアメリカ的な男優」だと僕が思っているウィリアム・ホールデンとのコンビネーションも絶妙だった。とはいっても、私生活ではイメージがまるで違うロバート・テイラーなんだよなあ。

 30年代から20年以上も人気女優としての地位を保持してきただけあって、出演作も凄い。「ステラ・ダラス」(37)、「私は殺される」(48)もいいけど、やっぱ僕が一番見て欲しいのは「群衆」(41)かな。新聞記者の役なんだけど、彼女が、とんでもないアイデアをビッグニュースにしてしまうという話だ。今の映画にはないキャプラ・タッチ満開のヒューマン・ドラマだぞ。おすすめだ。

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