バート・ランカスター (今週のスター)
(1913~1995)
本当はサーカス芸人だったんです
バート・ランカスターは実は元はサーカスの花形スターであった。ところが、負傷して復帰できなくなってしまい、次に選んだ職業が俳優だったのである。その後、世界的大スターに成長するわけだが、「空中ぶらんこ」(56)でアクロバティックな身のこなしを見せつけたのは愛嬌だったのか?
出演作は、そりゃもう名作揃い。「地上より永遠に」(53)、「大空港」(70)はみんなも知っている名作だよね。
ムキムキマンで、それでいてハンサム。役者バカの中の役者バカで、アクションもコメディもSFも社会派ドラマも恐怖映画も戦争ものも何でもできたので、ほとんどの作品では主人公役を演じた。フィルモグラフィを見たら、本当に芸が多彩で、ロバート・アルドリッチ、ジョン・フランケンハイマーら多くの巨匠たちと一緒に仕事をしているし、駄作が全くなく、ほんと凄い役者だと思わせる。
御得意は西部劇。英雄・悪役何でもこい
西部劇がまたかっこよく、数多くの西部男を演じてきたが、「ヴェラクルス」(54)では主演のゲーリー・クーパーを食うほど印象の強い悪役を演じ、良かったなぁ。「OK牧場の決斗」(57)のワイアット・アープ役もたまらんかった。この他、「アパッチ」(54)、「ビッグトレイル」(65)、「プロフェッショナル」(66)、「ビッグ・アメリカン」(76)などなど。一番得意なジャンルはどうやら西部劇だったようだ。何しろ悪役も保安官役もインディアン役も何でもやっている役者である。
渋めのシリアス役者として
60年頃からは枯れた役も演じるようになり、終身犯の半生を演じた「終身犯」(61)は、ランカスターの生涯の最高傑作となった。この時期にはスタンリー・クレイマー監督の「ニュールンベルグ裁判」(61)、ルキノ・ヴィスコンティ監督の「山猫」(63)、ジョン・ヒューストン監督の「許されざる者」(59)、デルバート・マン監督の「旅路」(61)などにも出演していて、まさに最盛期だった。
皺にコクが出てきてからは、「家族の肖像」(74)、「アトランティック・シティ」(80)のように渋めの主役もますます味が出てくるんだけど、「1900年」(76)、「バイオレント・サタデー」(83)、「フィールド・オブ・ドリームス」(89)のような、ちょっとした脇役でも好印象を残しているのがまた凄い。
「泳ぐひと」のバカ役者ぶりには笑いが出る
でも僕が一番受けたのは、ニューシネマの傑作「泳ぐひと」(68)、これだね。何とバート・ランカスターは最初から最後までずーっと海水パンツのままなのだ! なんで服を着ないんだろうって思って、笑えてきた。海水パンツのまま、考え事をしたり、町を歩いたり。でも内容はシリアス。なんかよくわからんジャンル不詳のなぞなぞ映画だったけど、とても印象に残っている。
心に残るような印象的な役がとても多いのもこの人の特長で、「雨を降らす男」(56)や「エルマー・ガントリー」(60)などは持ち前の演技力を最大発揮させて、人間味溢れる隠れた傑作といえるし、たぶん彼って人は、ハリウッド一の大馬鹿役者だったんじゃないかな。
本当はサーカス芸人だったんです
バート・ランカスターは実は元はサーカスの花形スターであった。ところが、負傷して復帰できなくなってしまい、次に選んだ職業が俳優だったのである。その後、世界的大スターに成長するわけだが、「空中ぶらんこ」(56)でアクロバティックな身のこなしを見せつけたのは愛嬌だったのか?
出演作は、そりゃもう名作揃い。「地上より永遠に」(53)、「大空港」(70)はみんなも知っている名作だよね。
ムキムキマンで、それでいてハンサム。役者バカの中の役者バカで、アクションもコメディもSFも社会派ドラマも恐怖映画も戦争ものも何でもできたので、ほとんどの作品では主人公役を演じた。フィルモグラフィを見たら、本当に芸が多彩で、ロバート・アルドリッチ、ジョン・フランケンハイマーら多くの巨匠たちと一緒に仕事をしているし、駄作が全くなく、ほんと凄い役者だと思わせる。
御得意は西部劇。英雄・悪役何でもこい
西部劇がまたかっこよく、数多くの西部男を演じてきたが、「ヴェラクルス」(54)では主演のゲーリー・クーパーを食うほど印象の強い悪役を演じ、良かったなぁ。「OK牧場の決斗」(57)のワイアット・アープ役もたまらんかった。この他、「アパッチ」(54)、「ビッグトレイル」(65)、「プロフェッショナル」(66)、「ビッグ・アメリカン」(76)などなど。一番得意なジャンルはどうやら西部劇だったようだ。何しろ悪役も保安官役もインディアン役も何でもやっている役者である。
渋めのシリアス役者として
60年頃からは枯れた役も演じるようになり、終身犯の半生を演じた「終身犯」(61)は、ランカスターの生涯の最高傑作となった。この時期にはスタンリー・クレイマー監督の「ニュールンベルグ裁判」(61)、ルキノ・ヴィスコンティ監督の「山猫」(63)、ジョン・ヒューストン監督の「許されざる者」(59)、デルバート・マン監督の「旅路」(61)などにも出演していて、まさに最盛期だった。
皺にコクが出てきてからは、「家族の肖像」(74)、「アトランティック・シティ」(80)のように渋めの主役もますます味が出てくるんだけど、「1900年」(76)、「バイオレント・サタデー」(83)、「フィールド・オブ・ドリームス」(89)のような、ちょっとした脇役でも好印象を残しているのがまた凄い。
「泳ぐひと」のバカ役者ぶりには笑いが出る
でも僕が一番受けたのは、ニューシネマの傑作「泳ぐひと」(68)、これだね。何とバート・ランカスターは最初から最後までずーっと海水パンツのままなのだ! なんで服を着ないんだろうって思って、笑えてきた。海水パンツのまま、考え事をしたり、町を歩いたり。でも内容はシリアス。なんかよくわからんジャンル不詳のなぞなぞ映画だったけど、とても印象に残っている。
心に残るような印象的な役がとても多いのもこの人の特長で、「雨を降らす男」(56)や「エルマー・ガントリー」(60)などは持ち前の演技力を最大発揮させて、人間味溢れる隠れた傑作といえるし、たぶん彼って人は、ハリウッド一の大馬鹿役者だったんじゃないかな。