ナオミ・ワッツ (今週のスター)

叫ぶことが大好き
 僕は女優では映画を選ばない。特にこれといって贔屓にしている女優がいるわけでもないし、誰が出ていようが、評価を決めるのは作品の出来云々だしね・・・・。去年まで僕はそう思っていた。しかし「21グラム」(03)を見てその気持ちを入れ替えた。ストーリーがどうこうというよりもナオミ・ワッツの存在感が光っていた。そりゃショーン・ペンもすごく良かったけれども、ナオミ・ワッツの体当たりの演技に僕は心をうたれた。ナオミ・ワッツの映画はそれ以前にも「マルホランド・ドライブ」(00)と「ザ・リング」(02)を見ていたけれども正直さほど印象に残っていなかった。でも「21グラム」は違った。ここで、映画とは、役者の演技次第で傑作になれば駄作にもなるという当たり前のことを、僕は改めて思い知らされた。「21グラム」を見て以来、僕はナオミ・ワッツの大ファンになった。
 ナオミ・ワッツが出ているなら見てみたい。そうとも思う。僕が女優で映画を選ぶようになるなんて自分でも驚きである。リンゴみたいな頬と、あどけないおでこ、そして歯が可愛くて好きだ。ニコール・キッドマンにもどことなくタイプ的に似ている気がするけど、ナオミ・ワッツがいいところは隣のお姉さんっぽいところだ。彼女の父親が僕が最も好きなロック・バンドのピンク・フロイドのエンジニアだったという点でもポイントが高い。
 残念ながら彼女は有名になったときにはすでに30歳を過ぎていたため、若々しい頃の演技が見られないのが残念であるが、少女っぽさはまだあるのだし、これからの活躍に期待できる。
 「キング・コング」(05)は大いに期待して見させてもらったが、期待以上の重厚な内容に驚いた。元祖悲鳴女優フェイ・レイと同じく、セリフの半分は悲鳴が占めるが、またこの悲鳴がすごくて、キング・コングが彼女を鷲づかみにしてウホウホと興奮するシーンで、上へ下へと揺さぶられて横隔膜を圧迫されながらも叫び続ける様は迫真だった。撮影前にフェイ・レイから直々に励まされ勇気づけられた彼女は、叫ぶことにかけては「ザ・リング」でも保証済みだった。叫ぶことはストレス解消にいいから大好きだとマスコミに言ってたけど、私生活でもあんな風に叫んでいるのだろうか・・・。
 僕は彼女がどんな性格の人かは知らない。好きだからこそ素顔のナオミ・ワッツを知るのが怖い気もする。映画の中のナオミ・ワッツのイメージを大事にしたいとでもいおう。でも、会うことができるのなら、ぜひ一度会ってみたい。

オリジナルページを表示する