納谷悟朗 (今週のスター)

とっつぁんにはホントしびれるね

 隠さず言おう。僕はアテレコジャンキーだ。吹き替えにケチつける奴ぁ許さないぞ。山田康雄さんのクリント・イーストウッドに、小林清志さんのジェームズ・コバーンに、納谷悟朗さんのチャールトン・ヘストンに、僕はしびれた。裏の世界の人だけど、僕は大ファン。好きな声優がいると、吹き替えを見るのも楽しみになってくるんだよね。

 それにしても最近の吹き替え業界では、決定俳優がいなくなったなあ。昔はこの人にはこの人というピッタリの声優がいたものだけど、今じゃあまりいなくなった。
 チャールトン・ヘストンの納谷悟朗さんはまさにピッタリだった。2人の声帯は別に似ているわけじゃないんだけど、納谷さんのしゃがれた声は重厚なマスクのヘストンにマッチしていた。納谷さんはほんと上手い。「ベン・ハー」の名吹き替えも惚れ惚れしてしまった。声が似ていればいいってものじゃないんだね。
 よく思うんだけど、納谷さんはチャールトン・ヘストンその人になるわけだから、つまりヘストンと同等レベルのスターといっても過言じゃないわけだ。そう認めるべきだ。

 与えられた役ならどんな役でも演じられると豪語する納谷さんはクラーク・ゲーブル、ジョン・ウェインの声もあてていた。実は僕は納谷さんが吹き替えたゲーブルとウェインをまだ見たことがない。うーん、昼か深夜にでも放送してくんないかなあ。それと「夕陽のガンマン」のリー・ヴァン・クリーフも、一度でいいから納谷さんの吹き替えで見てみたい。

 アニメでは「ルパン三世」の銭形のとっつぁんがはまり役。もう最高。「ルパン~!」の芸にはホントしびれます。

 最近の洋画やアニメの吹き替えは、声優ブームが影響してか、若手のアイドルが吹き替えてばかりで、ベテランの出番が少なくなってきて、寂しい気もするが、やっぱり納谷さんみたいなベテランの人にもっとやらせて欲しいものである。

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