スティーブン・セガール (今週のスター)

このオヤジこりすぎ!
 スティーブン・セガール、この人はかなり特殊タイプのスター。かなりマニアックな俳優だ。日本では、なんといっても「沈黙」シリーズで知られる。「沈黙の戦艦」(92)から「沈黙の要塞」(94)、「沈黙の断崖」(97)などなど、いくつあっただろうか? ところが原題を見てみると、「沈黙」という言葉は一言も出てこないし、なにをもって沈黙というのやら。日本の配給会社が最初に「沈黙」という言葉を使ったら、それが案外よかったから、それに便乗して、その後のセガール映画も「沈黙」シリーズに強引に結びつけてしまったんじゃないかな。スティーブン・セガールは武道修行のため日本に15年もいたので、日本語はペラペラだが、彼自身も邦題を容認しているのだろうか? でも映画会社が全部「沈黙」で通している気持ちもよくわかる。というのも、セガールはどの映画でもいつも同じような役だし、顔が全然変わらない。役名が変わっても、やっぱりセガールはセガール。ただひたすらアクション映画だけに素のまま出ていることに彼なりの男気を感じずにはいられない。そこがセガールがここまで親しまれているワケだろう。本物の武道家がスターになったという点ではブルース・リー以来のことだが、自分の演じる役があまりにも強すぎてピンチ感を出せない嫌いもあるが、そこが良い。ほとんどの作品で自らプロデュースもやっているところからも、彼なりの「これはこれでなくちゃ」というこだわりがあるに違いない。そういう意味では、チャップリン、ウディ・アレン、ケーリー・グラントのように、自分だけのジャンルを作ったこった俳優なので、温かい目で見守りたい。しかし音楽業界などにしゃしゃりでてくるあたり、かなり我が道を行くタイプの俳優と見た。こうなると、もはや「オヤジ」の愛称も定着した感がある。
 そういえば、さよならさよならの淀川さんと日本語で対談したとき、淀川さんがただ誕生日が同じという理由だけでセガールのことを好きといってたのが印象深い。

オリジナルページを表示する