ジョン・ミルズ (今週のスター)

 70年も役者をやっているイギリスのベテラン俳優である。ほとんど脇役専門。でもあのハの字の眉毛と眉間のシワがすごくいいんだ。

 代表作のほとんどはデビッド・リーンの作品。「幸福なる種族」(44)、「大いなる遺産」(46)、「ホブスンの婿選び」(54)などに出演し、リーンの初期モノクロ人情喜劇の顔みたいな存在でもあった。後期リーンの作品では「ライアンの娘」(70)で精神異常者の役を演じて米アカデミー賞を受賞している。醜男ではないが、冴えない男、そんなイメージがあるが、そのイメージが買われて主演した「大いなる遺産」では、純情な二十歳の青年の役を38歳にもなって演じている。

 リーンの作品の他は、リチャード・アッテンボローの監督作品が有名。「素晴らしき戦争」(69)、「戦争と冒険」(72)、「ガンジー」(82)など、出番は少ないが、偉そうだけど優しそうな軍人役など、ジョン・ミルズでなければつとまらないような難役ばかりである。

 米映画の出演作では「南海漂流(スイスファミリーロビンソン)」(60)、「ドーヴァーの青い花」(64)などがある。ちなみにオールスター映画「八十日間世界一周」(56)では一番最後にしゃっくりをする御者役でカメオ出演している。

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